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損切りと利確とは?「売りどき」の考え方を初心者向けにやさしく解説

2026.06.24 ・ 執筆:フクリ 2026.08.04 更新
損切りと利確とは?「売りどき」の考え方を初心者向けにやさしく解説

投資を始めると、多くの人が最初にぶつかる壁が「いつ売ればいいの?」です。買うときより、売るときのほうがずっと難しい。この記事では、損切りと利確という2つの「売りどき」の考え方を、実際のデータで検証しながらやさしく解説します。

損切り・利確とは

どちらも「持っている株などを売って、結果を確定させる」こと。方向が違うだけです。

  • 損切り(ロスカット):値下がりした株を、これ以上の損を避けるために売ること。
  • 利確(利益確定):値上がりした株を売って、利益を手元に確定させること。

なぜ「売る」のは難しいのか

理由は、人の心のクセにあります。人は損を確定するのを嫌がり、利益は早く確定したくなる傾向があります(行動経済学でいうプロスペクト理論)。

💡 その結果、起きがちなのが「損は伸ばし、利益は小さく刈り取る」という逆パターン。下がった株は「いつか戻る」と持ち続け、上がった株は「今のうちに」とすぐ売ってしまう。これが負けやすい人の典型です。

なぜ株価が動くのかを知っておくと、値動きに振り回されにくくなります(→株価が動く理由)。

ルールを先に決めておく

感情で判断すると、たいてい失敗します。だから買う前に、売る条件を決めておくのがコツです。

ただし——このルール、市場全体(インデックス)に当てはめるとどうなるのか。実際に計算してみました。

「◯%で損切り」を実データで検証すると

2021年8月に日経平均を買い、「買値から◯%下がったら売る」というルールを機械的に守った場合、2026年7月末までにどうなっていたか。計算した結果がこれです。

結果はこうでした。

ルール発動最終結果
5%下落で損切り2022年1月に発動-5.8%
10%下落で損切り2022年3月に発動-10.8%
15%下落で損切り発動せず+131.7%
売らずに持ち続ける+131.7%

この5年で、日経平均が買値から下げた最大幅は-11.0%(2022年3月)。つまり15%の損切りラインは一度も発動せず、持ち続けたのと同じ結果になりました。一方、5%や10%で切っていた人は、そこで撤退したまま、その後の+131.7%の上昇に乗れませんでした。

もうひとつ、印象的な数字があります。2024年8月5日の暴落(1日で-12.4%)。この日の底で売っていたら、その後の+104.6%の上昇を取り逃していた計算になります(→暴落の記事)。

⚠️ これは「損切りは不要」という意味ではありません。 検証したのは日経平均という市場全体で、上昇相場だった5年間の話です。個別株は倒産や長期低迷もあり得ます。市場全体と個別企業では、話がまったく別だという点にご注意ください。

狼狽売りに気をつける

相場が急落すると、こわくなってみんなが慌てて売る=狼狽売りが起きます。つられて底値で売ってしまうと、その後の回復を取り逃します(→リスクとリターン)。

上のデータが示すのは、まさにこれです。「下がったから売る」を機械的にやると、市場全体に投資している場合はかえって不利になりやすい——少なくとも、この5年ではそうでした。

フクリの見方:損切りルールは「何に投資しているか」で変わる

編集部の立場を書きます。損切りルールが必要かどうかは、投資対象によって答えが変わります。ひとくくりに「損切りは大事」と言うのは、正確ではないと考えています。

個別株には、損切りが要ります。 1社に集中して投資している以上、その会社が想定と違う方向に進んだら、資金が戻らない可能性があります。倒産、不祥事、事業の構造変化——市場全体と違い、個別企業は「いつか戻る」保証がありません。だからルールを決めて、機械的に切る意味があります。

一方、市場全体に分散したインデックスでは、話が変わります。 上で見たとおり、この5年で5%・10%の損切りは、結果的に回復を取り逃す装置になっていました。世界中の企業に分散している以上、1社の失敗で全体がゼロになることはありません。だからインデックス投資では、「売らない」ことが有効な戦略になり得ます

具体的には、こう整理しています。

  • 個別株:買う前に損切りラインを決める。決めたら守る。
  • インデックスの積立:そもそも損切りラインを設けない。下落は安く買える機会と捉える。
  • 共通:「不安になったから売る」だけは避ける。それは判断ではなく反応です。

この見方が外れる条件も書いておきます。 検証したのは上昇した5年間であり、長期の下落局面(たとえば1990年代の日本株)では、持ち続けた結果が良いとは限りません。また、近く使う予定のあるお金なら、下落に耐える時間がないので話は別です。そのためにも生活防衛資金を分けておくことが前提になります。

まとめ(3行)

  • 損切りは損の確定、利確は利益の確定。人は「損を伸ばし利益を小さく刈る」クセがある。
  • 日経平均の5年で検証すると、5%・10%の損切りは-5.8%/-10.8%で終了。持ち続ければプラス131.7%に増えていた
  • 個別株には損切りが要る。市場全体への分散投資では「売らない」も戦略。対象によって答えが変わる。

「売りどき」の考え方を持つと、投資の不安がぐっと減ります。いっしょに身につけていきましょう。

情報源・参考

  • 日経平均株価の日次終値(2021年8月〜2026年7月)をFukuri編集部が集計・試算
  • 金融庁「投資の基本」:fsa.go.jp
  • 日本証券業協会「投資の時間」:jsda.or.jp
  • 日本取引所グループ(JPX):jpx.co.jp
免責事項

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の投資勧誘や投資助言を行うものではありません。投資にともなう最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。記載内容の正確性には努めていますが、その完全性・将来の結果を保証するものではありません。

フクリ
フクリ Fukuri編集部のナビゲーターです。海外の投資・経済ニュースを、一次情報にあたって日本の読者向けにまとめています。記事の企画・編集・公開の責任は、運営責任者が負っています。
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