証券口座の開き方・選び方|4つのものさしで比べる、はじめての一歩

「投資を始めたい」と思ったとき、最初に必要になるのが証券口座です。銀行口座でお金を預けるのと同じように、株や投資信託を買うには証券会社の口座が要ります。
この記事では、口座の選び方から開設の流れまでをやさしく解説し、最後に実際の3社を同じものさしで並べた表も載せます。
証券口座とは
株や投資信託などを売り買いするための、専用の口座です。銀行口座が「お金を預ける箱」なら、証券口座は「金融商品を出し入れする箱」。投資のすべてはここから始まります。
💡 口座を持っているだけでは、お金はかかりません。 ネット証券の多くは口座管理料が無料です。「開いたら何か買わなければいけない」ということもありません。
なぜネット証券が主流なのか
証券会社には、店舗をもつ会社(対面型)と、ネット専業の会社があります。はじめての方には、手数料が安く、スマホひとつで完結するネット証券が選ばれることが多いです。
💡 たとえ話。対面型は「相談できる店員さんがいる専門店」、ネット証券は「品ぞろえが多くて安いセルフレジの大型店」。どちらが良い悪いではなく、自分で調べて選びたい人にはネット証券が向いています。
対面型が劣るわけではありません。まとまった資産をどう配分するか相談したい、相続がからむ、といった場面では、人に相談できる価値があります。ただ、少額から積み立てて慣れていく段階では、その相談料に見合う場面が少ない、というだけの話です。
口座を選ぶ4つのものさし
会社によって手数料や使い勝手はさまざまです。次の4点で比べると選びやすくなります。
① 手数料。 株や投信を売買するときのコストです。ただし、いま多くのネット証券はNISA口座なら売買手数料を無料にしています。少額の積立が中心なら、手数料で差がつく場面はそもそも多くありません。手数料は「安いほど良い」より「自分の買い方で実際にかかるか」で見るほうが実用的です。
② 取扱商品。 ここが最も差が出ます。投資信託の本数、米国株、そして単元未満株、つまり1株から買えるサービスを扱っているかどうか。日本株は通常100株単位なので、数万円から始めたい人にとって単元未満株の有無は決定的です。
③ NISA対応。 NISAは口座を1人1つしか持てません。つみたて投資枠と成長投資枠で何が買えるかは会社によって違うので、NISAを使うつもりなら、ここは開設前に確認する価値があります。
④ 使いやすさ。 毎日見る画面なので、アプリやサイトが見やすいかも大切です。こればかりは使ってみないと分かりません。
口座開設の流れ
開設は、思ったよりかんたんです。ネット証券ならスマホで10分ほどで申込できます。
💡 マイナンバーカード(または通知カード+身分証)が必要です。スマホで撮影してアップロードすれば、最短で翌営業日には取引を始められる会社もあります。
口座の種類はどれを選ぶか
申込のとき、口座の種類を聞かれます。ここでつまずく人が多いので、整理しておきます。
| 口座の種類 | 税金の扱い | 確定申告 |
|---|---|---|
| 特定口座(源泉徴収あり) | 証券会社が利益から自動で差し引いて納付 | 原則不要 |
| 特定口座(源泉徴収なし) | 証券会社が年間取引報告書を作ってくれる | 必要(書類は用意される) |
| 一般口座 | 自分で損益を計算 | 必要(計算も自分) |
多くの人にとって便利なのは、特定口座の「源泉徴収あり」です。利益が出たときの税金を証券会社が代わりに計算・納付してくれるので、原則として自分で確定申告をする手間がはぶけます。迷ったらこれを選べば、後がラクになります。
⚠️ NISA口座は、これらとは別枠です。NISAを使いたい場合は、口座開設の申込時に「NISA口座も開設する」を選んでおくと二度手間になりません。あとから申し込むこともできますが、税務署の確認に日数がかかります。
3社を同じものさしで並べる
上の4つのものさしのうち、手数料・取扱商品・NISA対応の3つは、各社が公表している事実で比べられます。実際に並べてみます。
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この節には広告が含まれます。ただし、載せる項目と評価は広告の有無で変えていません。手数料や取扱商品は変更されることがあるため、申込み前に必ず各社の公式サイトで最新の条件をご確認ください。数値は2026年7月31日時点で各社の公表情報から確認したものです。特定の会社をおすすめするものではありません。
まず、いちばん差が出る1点だけを先に見てください。
- SBI証券買える「S株」。条件を満たせば売買手数料は無料
- 楽天証券買える「かぶミニ」。売買手数料は無料(リアルタイム取引はスプレッド0.22%)
- マネックス証券買える「ワン株」。買付手数料は無料
- 松井証券売却のみ買付はできない(100株単位)
- DMM株取扱いなし100株単位のみ
数万円から日本株を少しずつ買いたいなら、ここで選択肢が絞られます。逆に投資信託の積立だけなら、この行は関係ありません。
そのうえで、会社ごとの特徴を並べます。
SBI証券
口座数が最大級
- 単元未満株
- あり(S株)。「ゼロ革命」の対象で、インターネットコースかつ書面をすべて電子交付にしている場合に売買手数料が無料
- NISAの売買手数料
- 国内株式の売買手数料は無料
- 日本株(NISA以外)
- 上記の条件を満たせば、現物・信用ともインターネット経由の売買手数料が無料
- 注意
- 手数料無料にはコースと電子交付の条件があります。申込時に確認してください
楽天証券
ポイントで買える
- 単元未満株
- あり(かぶミニ)。売買手数料は無料。リアルタイム取引は0.22%のスプレッドがかかり、寄付取引はスプレッドなし
- NISAの売買手数料
- かぶミニはNISA成長投資枠でも取引可能
- 特徴
- 楽天ポイントを使ってかぶミニに投資できる
- 注意
- スプレッドは手数料とは別の負担です。少額をこまめに売買するほど効いてきます
マネックス証券
1株から買いたい人向け
- 単元未満株
- あり(ワン株)。買付手数料は無料。NISA口座なら売却も無料
- NISAの売買手数料
- 国内株・米国株・中国株・単元未満株が無料
- 日本株(NISA以外)
- 取引毎コースで55〜1,070円ほか、一日定額コースあり
- 投資信託
- ノーロード(購入時手数料無料)を多数取扱い。NISA口座はすべてノーロード
⚠️ どれが優れているという話ではありません。 見てのとおり、同じ「ネット証券」でも得意な領域が違います。「1株から買いたい」「米国株が中心」「25歳以下」——自分がどれに当てはまるかが決まっていない場合はまずいずれかの1社の口座を申し込んでみましょう。
フクリの見方:完璧を求めず、まず開いてみる
編集部の立場を書きます。口座選びに時間をかけるより、1つ開いて少額で試すほうが早いと考えています。
理由は2つあります。
第一に、口座は複数持てて、維持費もかからないからです。ネット証券は口座管理料が無料のところがほとんどで、持っているだけならお金はかかりません。合わなければ別の会社で開き直せばよく、最初の選択に取り返しのつかなさがありません。銀行口座を1つに絞る必要がないのと同じです。
第二に、上の比較表を見て分かるとおり、選ぶには「自分が何を買いたいか」が先に決まっている必要があるからです。単元未満株が要るのか、米国株が中心なのか、投信の積立だけなのか。それは実際に少額で触ってみないと分かりません。 調べてから決めようとすると、決めるための材料が手に入らないまま止まります。
この見方が外れる場合もあります。①NISA口座は1人1つなので、ここだけは動かすのに手間がかかります(金融機関の変更は年単位の手続きです)。NISAを本格的に使うつもりなら、NISA口座をどこに置くかだけは先に考える価値があります。②まとまった資金を一度に動かす予定があるなら、手数料の差が実額として効いてきます。
まとめ(3行)
- 投資には証券口座が必要。口座を持っているだけなら費用はかからず、複数持つこともできる。
- 選ぶときは手数料・取扱商品・NISA対応・使いやすさの4点。とくに単元未満株を扱っているかどうかは会社によって差が大きい。
- 開設はスマホで完結。口座は特定口座の「源泉徴収あり」を選ぶと税金の手間が省ける。NISAを使うなら申込時に一緒に開くと二度手間にならない。
最初の一歩さえ踏み出せば、あとは少しずつ。いっしょに学んでいきましょう。
情報源・参考
- SBI証券「ゼロ革命」:sbisec.co.jp/「ゼロ革命の対象になる条件」:faq.sbisec.co.jp(インターネットコースかつ取扱書面をすべて電子交付にしている場合が対象)/「対象商品」:faq.sbisec.co.jp(S株を含む現物取引・信用取引)
- 楽天証券「かぶミニ®(単元未満株取引)」:rakuten-sec.co.jp(売買手数料は無料、リアルタイム取引のスプレッドは0.22%、寄付取引はスプレッドなし、NISA成長投資枠で取引可能)
- マネックス証券「NISAは売買手数料がすべて無料」:info.monex.co.jp/「ワン株(単元未満株)手数料」:info.monex.co.jp
- 松井証券「日本株(現物取引)手数料」:matsui.co.jp/「手数料」:matsui.co.jp
- DMM株「取引手数料」:kabu.dmm.com/「米国株式現物取引」:kabu.dmm.com
- 金融庁「NISA特設ウェブサイト」:fsa.go.jp/policy/nisa2
- 日本証券業協会「投資の時間」:jsda.or.jp
- 国税庁「特定口座制度」:nta.go.jp
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の投資勧誘や投資助言を行うものではありません。投資にともなう最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。記載内容の正確性には努めていますが、その完全性・将来の結果を保証するものではありません。