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単元未満株(1株投資)とは?100株だと800万円かかる会社もある、という話

2026.06.24 ・ 執筆:フクリ 2026.07.30 更新
単元未満株(1株投資)とは?100株だと800万円かかる会社もある、という話

「気になる企業の株、買ってみたいけど何十万円もするの?」——はい、多くの場合そうです。会社によっては数百万円かかります。

その入口になるのが、1株から買える単元未満株です。この記事では、そもそもなぜ日本株は高くつくのか、東証がその状況をどう変えようとしているのかを押さえたうえで、単元未満株のしくみと注意点を解説します。

単元未満株とは

日本の株は通常、100株を1セット(1単元)として売買します。たとえば株価3,000円の会社なら、最低でも3,000円×100株=30万円が必要です。

これに対し、1株から買えるのが単元未満株(証券会社により「ミニ株」「S株」などと呼ばれます)。さきほどの会社なら、3,000円で株主になれます。

実際にいくら必要なのか

「100株単位」が具体的に何を意味するのか、実際の株価で見てみましょう。

100株を買うのに必要な金額(2026年7月28日終値) 約799万円 約709万円 約37万円 約30万円 ファーストリテイリング 79,950円 キーエンス 70,950円 三菱UFJ 3,661円 トヨタ自動車 3,008円 2026年7月28日の終値×100株。下段は1株の株価。出典:Yahoo Financeの終値をもとに編集部が算出
図:同じ「100株」でも、必要な金額は会社によって大きく違います。ファーストリテイリングとトヨタ自動車では、およそ26倍の開きがあります
会社1株の株価100株(1単元)だと単元未満株なら
ファーストリテイリング79,950円約799万円79,950円から
キーエンス70,950円約709万円70,950円から
三菱UFJフィナンシャル・グループ3,661円約37万円3,661円から
トヨタ自動車3,008円約30万円3,008円から

同じ「100株」でも、必要な金額は26倍違います。 有名な会社ほど株価が高いとは限りませんが、株価が高い会社は100株単位というルールのせいで、個人には手が届きにくくなります。

東証も「高すぎる」と考えている

これは個人投資家だけが感じている問題ではありません。東京証券取引所自身が、投資単位の高さを課題としています。

東証は企業行動規範のなかで、望ましい投資単位を「5万円以上50万円未満」と定めています。そして、投資単位が50万円以上になっている会社に対しては、50万円未満へ引き下げるための考え方と方針を開示するよう義務づけています。

実際、この働きかけは効いています。2026年3月末時点で、上場会社の93.4%が投資単位50万円未満になりました。企業が株式分割を進めてきた背景には、この要請があります。

それでも、上で見たとおり800万円級の会社は残っています。制度側の引き下げを待たずに、いま買えるようにする道具が単元未満株です。

メリット

  • 少額で始められる:まとまったお金がなくても、今日から投資を体験できます。
  • 分散しやすい:これが実は最大の利点です。100株単位だと、30万円あっても1社しか買えません。単元未満株なら、同じ30万円で複数の会社に分けられます(分散投資)。
  • 積立しやすい:毎月一定額を買うドルコスト平均法とも相性が良く、複利を活かしてコツコツ育てられます。

注意したいこと

便利な一方で、クセもあります。

項目内容
手数料金額が小さいぶん、手数料の比率が高くなる場合があります(最近は無料の証券会社も増加)
売買のタイミングリアルタイムで値段を指定できず、1日数回など決まった時間にまとめて約定する方式が一般的です
株主優待株主優待は100株以上が条件のことが多く、1株では対象外なことがほとんど
議決権単元未満株には、株主総会での議決権が付かないのが原則です
配当保有株数に応じて受け取れます。1株でも配当は出ます

とくに「売買のタイミング」は、実際に使うと戸惑うポイントです。指値ができないので、注文を出した時点ではいくらで買えるか分かりません。少額なら影響は小さいですが、指値・成行の感覚に慣れた人ほど気になる点です。

新NISAでも使える

多くの証券会社では、単元未満株を新NISA成長投資枠で買えます。つみたて投資枠は投資信託が中心なので、個別株を非課税で持ちたいなら成長投資枠という整理になります。

フクリの見方:単元未満株は「入門用」ではなく「分散の道具」

編集部の立場を書きます。単元未満株を「お金がない人の入門商品」と位置づけるのは、この道具を過小評価していると考えています。

理由は、上で見た数字にあります。同じ100株でも必要額が26倍違う——これは、100株単位というルールが、投資先を選ぶ自由そのものを資金量で制限していることを意味します。300万円持っていても、ファーストリテイリングとキーエンスを1単元ずつは買えません。

単元未満株は、この制限を外します。「少額でも買える」の本質は、金額の小ささではなく、選べる会社が資金量に縛られなくなることにあります。だから、まとまった資金がある人にとっても意味があります。

そのうえで、注意点も正直に書きます。単元未満株は、コア資産を作る道具としては向きません。 指値ができず、手数料の比率も読みにくい。資産の中心はインデックス投資のような仕組みに置き、単元未満株は「気になる会社を実際に持ってみる」「配分を細かく調整する」といった用途に使うのが現実的だと考えています。

この見方が外れるとしたら、東証の要請が進んで最低投資金額が10万円程度に揃った場合です。そうなれば単元株でも十分に分散でき、単元未満株のデメリット(指値できない・手数料)を引き受ける理由が薄くなります。これは制度が問題を解いてくれる可能性がある、数少ない例です。

まとめ(3行)

  • 日本株は100株単位。同じ100株でも、必要な金額は会社によって26倍違う(ファーストリテイリング約799万円/トヨタ自動車約30万円・2026年7月28日終値)。
  • 東証も投資単位の高さを課題とし、望ましい水準を5万円以上50万円未満と定め、さらに10万円程度への引き下げを要請している。2026年3月末で93.4%が50万円未満。
  • 単元未満株の本質は「少額」ではなく、選べる会社が資金量に縛られなくなること。ただし指値ができず手数料の比率も読みにくいので、コア資産の置き場には向かない。

情報源・参考

  • 日本取引所グループ(JPX)「投資単位の引下げ/株式分割の仕組み・効果」:jpx.co.jp(企業行動規範における望ましい投資単位=5万円以上50万円未満、50万円以上の会社への開示義務)
  • 東証による投資単位引下げの進捗(2026年3月末時点で93.4%が50万円未満)、および最低投資金額を10万円程度へ引き下げるよう全上場企業に要請した件は、日本経済新聞ほかの報道にもとづきます。
  • 株価はYahoo Financeの2026年7月28日終値(ファーストリテイリング79,950円/キーエンス70,950円/三菱UFJフィナンシャル・グループ3,661円/トヨタ自動車3,008円)。100株換算は編集部による計算です。
  • 金融庁「NISA特設ウェブサイト」:fsa.go.jp/policy/nisa2
  • 日本証券業協会「投資の時間」:jsda.or.jp
免責事項

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の投資勧誘や投資助言を行うものではありません。投資にともなう最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。記載内容の正確性には努めていますが、その完全性・将来の結果を保証するものではありません。

フクリ
フクリ Fukuri編集部のナビゲーターです。海外の投資・経済ニュースを、一次情報にあたって日本の読者向けにまとめています。記事の企画・編集・公開の責任は、運営責任者が負っています。
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