調査

節税売り(損出し)で今年下げそうな株は? 年初から4割安のグロース・スタンダード73社

2026.10.13
節税売り(損出し)で今年下げそうな株は? 年初から4割安のグロース・スタンダード73社

📌 この記事は公開情報(市場データ、日本取引所グループの上場銘柄一覧、国税庁・証券会社の公表資料)にもとづく情報提供・解説であり、特定の銘柄の売買を勧めるものではありません。数値は特記なき限り2026年10月13日時点のものです。

今年の年末、節税売りで下げそうなのは、どの株でしょうか。

この記事の予想は、グロース市場とスタンダード市場で年初から大きく下げた株は、年内の締め切りの日まで市場より下げる、というものです。プライム市場の大きな会社は、前例では下げが小さめでした。

節税売りの締め切りは、今年は12月28日(月)

節税売りは、値下がりした株を年内に売って損を確定させ、その年の利益と相殺して税金を減らすやり方です。今年の締め切りは、12月28日(月)の取引になる見込みです。

締め切り:年内に受け渡しが終わる取引まで(今年は12月28日の取引まで)
▼
① 値下がりした株を売る含み損が、確定した損になる
② 今年の利益と相殺する上場株などを売った利益。確定申告をすれば配当とも
③ 税金が減る相殺した分だけ、利益にかかる税金が減る
NISAの口座の損は相殺できない。相殺しきれない損は、確定申告をすれば翌年から3年間繰り越せる(国税庁)

締め切りがあるのは、税金の計算が「株と代金の受け渡しが終わった日」の年で決まるからです。受け渡しは売買の2営業日後なので、今年は大納会(12月30日)の2営業日前の12月28日(月)までの取引が、今年の分になる見込みです。

NISAの口座で出た損は、相殺に使えません。節税売りが出るのは、税金がかかる口座で持っている株です。

年初から大きく下げた株だけが、4年とも12月に下げた

東証の全銘柄の4年分を数えると、年初から4割以上下げた株は、4年とも12月に市場より下げていました。それ以外の株は、ほぼ市場どおりでした。

ここでの「市場」は東証の株全体で、全銘柄の値動きを順に並べた真ん中の値です。市場との差は「ポイント」で表しています。期間は、11月末から締め切りの日までです。

TOPIXやグロース市場の指数と比べても、値動きそのものを見ても、4年とも下げていました。年初から2〜4割下げた株も、下げ方は小さめながら4年とも下げています。

下げは、締め切りの日まで続きました。そのあと1月に戻ったのは、4年のうち2年だけです。

ほかの月(6〜10月)にも、年初から大きく下げた株は市場に負けやすい傾向があります。ただ、12月の下げは、それよりはっきり大きく出ていました。

関連企業と日本の接点

下げそうなのは、グロース市場とスタンダード市場で、年初から4割以上下げた株です。10月13日の時点で73社あり、株価100円未満の株と情報・通信の株が多く入っています。

プライム市場の株は、年初から4割以上下げていても、12月の下げは小さめでした。2023年は市場より上げています。グロース・スタンダードの中では、株価100円未満の株と、情報・通信の株の下げが大きめでした。医薬品も大きく下げましたが、2024年は市場より上げています。

今年の顔ぶれは、10月13日の時点で次のとおりです。

今年の候補73社の一覧(年初からの下げが大きい順)
会社(コード)年初から株価市場業種
エスクリプトエナジー(5721)−83%45円スタンダード非鉄金属
Delta-Fly Pharma(4598)−81%98円グロース医薬品
abc(8783)−81%46円スタンダードその他金融業
FUNDINNO(462A)−80%244円グロース証券
ウェッジHD(2388)−77%14円グロースその他金融業
ジーイエット(7603)−77%34円スタンダード小売業
ピクセラ(6731)−74%87円スタンダード電気機器
Bitcoin Japan(8105)−73%62円スタンダード卸売業
アイドマHD(7373)−73%864円グロースサービス業
ライトアップ(6580)−72%787円グロースサービス業
ウェルディッシュ(2901)−71%127円スタンダード食料品
REVOLUTION(8894)−71%15円スタンダード不動産業
クオンタムソリューションズ(2338)−70%101円スタンダード情報・通信
ANAPHD(3189)−70%81円スタンダード小売業
TORICO(7138)−70%129円グロース小売業
バリュークリエーション(9238)−68%354円グロースサービス業
unbanked(8746)−68%105円スタンダード証券
CRAVIA(6573)−68%22円グロースサービス業
BlueMeme(4069)−65%515円グロース情報・通信
AIストーム(3719)−62%93円スタンダード情報・通信
HODL1(2345)−62%83円スタンダード情報・通信
Schoo(264A)−61%261円グロースサービス業
Birdman(7063)−60%50円グロースサービス業
クラシコ(442A)−60%852円グロース繊維製品
ビープラッツ(4381)−59%210円グロース情報・通信
ウィルソン・ラーニング ワールドワイド(9610)−59%106円スタンダードサービス業
日本ホスピスHD(7061)−58%465円グロースサービス業
フルッタフルッタ(2586)−57%53円グロース食料品
AIAIグループ(6557)−55%643円グロースサービス業
enish(3667)−54%26円スタンダード情報・通信
モンスターラボ(5255)−53%79円グロース情報・通信
サスメド(4263)−53%399円グロース情報・通信
トリドリ(9337)−52%1,480円グロースサービス業
千趣会(8165)−52%99円スタンダード小売業
クリアル(2998)−51%457円グロース不動産業
ユナイテッド&コレクティブ(3557)−51%487円グロース小売業
ライズ・コンサルティング・グループ(9168)−50%421円グロースサービス業
オルトプラス(3672)−50%27円スタンダード情報・通信
夢展望(3185)−50%103円グロース小売業
フォーサイド(2330)−50%81円スタンダード情報・通信
アゴーラ ホスピタリティー グループ(9704)−49%26円スタンダードサービス業
ニューラルグループ(4056)−49%200円グロース情報・通信
ジェイHD(2721)−48%99円スタンダード卸売業
メドレックス(4586)−47%57円グロース医薬品
北浜キャピタルパートナーズ(2134)−47%16円スタンダードサービス業
True Data(4416)−47%400円グロース情報・通信
ファンペップ(4881)−46%44円グロース医薬品
Chordia Therapeutics(190A)−46%58円グロース医薬品
アンジェス(4563)−46%33円グロース医薬品
ワンダープラネット(4199)−46%791円グロース情報・通信
サイバーステップHD(3810)−45%171円スタンダード情報・通信
ジェリービーンズグループ(3070)−45%40円グロース卸売業
ホーブ(1382)−45%986円スタンダード水産・農林業
アクセルスペースHD(402A)−45%280円グロース輸送用機器
アトム(7412)−45%306円スタンダード小売業
モダリス(4883)−45%31円グロース医薬品
フィットクルー(469A)−44%1,600円グロースサービス業
夢みつけ隊(2673)−44%100円スタンダード小売業
WIZE(3664)−44%19円グロース情報・通信
イメージ ワン(2667)−44%101円スタンダード卸売業
NANOHD(4571)−44%80円グロース医薬品
フツパー(478A)−43%708円グロース情報・通信
免疫生物研究所(4570)−43%1,074円グロース医薬品
JNグループ(6634)−42%65円スタンダード電気機器
ニチリョク(7578)−42%67円スタンダード小売業
フィル・カンパニー(3267)−41%617円スタンダード建設業
INTLOOP(9556)−41%2,310円グロースサービス業
monoAI technology(5240)−41%171円グロース情報・通信
情報戦略テクノロジー(155A)−41%788円グロース情報・通信
リスキル(291A)−41%2,056円グロースサービス業
売れるネット広告社グループ(9235)−41%392円グロースサービス業
リベルタ(4935)−40%196円スタンダード化学
シンバイオ製薬(4582)−40%54円グロース医薬品

名前を挙げたのは、型ごとに年初からの下げが大きい順の4社です。値下がりには会社ごとの理由があり、節税売りだけでは説明できません。予想は全体の真ん中の話で、前例でも5件に1件ほどは12月に市場より上げています。

プライム市場にも、年初から4割以上下げた会社が10社あります(アドバンスクリエイト、サンウェルズ、イオンなど)。アドバンスクリエイトは、9月に東証の特別注意銘柄に指定されました(ニデックの記事で扱った制度です)。

次の山場は11月30日と12月28日

11月30日の終値で、今年の顔ぶれが決まります。締め切りの日は12月28日(月)の見込みです。

11月30日(月)顔ぶれが決まる。この日の終値で、年初から4割以上下げた株を数え直す
12月上旬証券会社が、今年の分になる最後の取引日を案内する(2025年は12月3日に案内)
12月29日(火)・30日(水)この2日の取引は、来年の分になる
2027年1月下旬前例では、戻した年と戻らなかった年が半々

損出しを考える人が、自分で確かめることは4つです。

  • 売る株を、NISAの口座で持っているか、税金がかかる口座で持っているか
  • 今年、上場株などを売って出た利益や、相殺したい配当があるか
  • 相殺しきれない損を繰り越すなら、確定申告が要ること
  • 使っている証券会社の、今年の分になる最後の取引日

株価が動く理由の基本は株価が動く理由にまとめています。

予想:グロース・スタンダードで大きく下げた株は、12月28日まで市場より下

グロース・スタンダード市場で年初から4割以上下げた株は、12月28日まで市場より下げる見込みが高いと見ています。1月に戻るかは、前例からは読めません。

予想の理由は3つです。

  • 4年とも同じ向きだった:グロース・スタンダード市場で年初から大きく下げた株は、毎年12月に下げました。
  • 締め切りと重なる:下げの底は、毎年、締め切りの日の前後でした。
  • ほかの月より大きい:同じような株でも、ほかの月の下げは小さめでした。

ただし、損切りなど、節税のためではない売りも重なっている可能性があります。

で、儲かるのか

この記事の答え

グロース・スタンダードで年初から大きく下げた株は、12月28日まで市場より下げる見込みです

前例では4年とも、締め切りの日まで売られました。プライム市場では、下げは小さめでした。1月に戻るかは年によります。

いちばん確か

グロース・スタンダードで年初から4割以上下げた株(12月1日〜28日)

↓市場より
下げる
さらに大きい

その中の、株価100円未満の株と情報・通信の株

↓大きく
下げやすい
締め切りのあと

12月29日〜2027年1月

→戻るかは
年による

情報源

  • 株価:Yahoo Financeの日次終値(配当を含まない)。対象は日本取引所グループ「東証上場銘柄一覧」(2026年8月末)のETF・REITを除く銘柄のうち、5年分の株価が取れた3,661社。いまも上場している会社だけで、途中で上場をやめた会社は入っていない。1日で±40%を超えて動いた日がある22銘柄(株式分割の反映漏れなど)は、その日を含む年を外した
  • 数え方:年初=前の年の大納会の終値。締め切りの日=大納会の2営業日前(2022年12月28日・2023年12月27日・2024年12月26日・2025年12月26日)。市場=同じ期間の全銘柄の値動きの真ん中。確かめに、TOPIX連動ETF(1308)・東証グロース市場250指数に連動するETF(2516)との差、値動きそのものでも数えた。ほかの月との比べは、2022〜2025年の6〜10月の各月(前の月末から18営業日)。1月に戻ったかは、締め切りの日から20営業日後までの市場との差で見た
  • 今年の候補:2025年12月30日の終値から2026年10月13日の終値までに4割以上下げた、グロース・スタンダード市場の株。2026年に上場した会社と、今年の株価が60営業日分そろわない会社は外した
  • 市場と業種:日本取引所グループ「東証上場銘柄一覧」(2026年8月末)の市場区分と33業種
  • 税の扱い:国税庁タックスアンサー「No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除」、国税庁の文書回答(株式等の譲渡の収入すべき時期は原則として株式等の引渡しがあった日=措置法通達37の10・37の11共-1)、マネックス証券の2025年12月3日のお知らせ(年末の国内株の最終取引日は12月26日、受渡日は12月30日)、大和証券「NISAの注意点!知っておきたい『損益通算できない』デメリットとは?」(2026年1月19日)
免責事項

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の投資勧誘や投資助言を行うものではありません。投資にともなう最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。記載内容の正確性には努めていますが、その完全性・将来の結果を保証するものではありません。

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