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IPO(新規公開株)とは?仕組みと初心者が知るべき点をやさしく解説

2026.06.26 ・ 執筆:フクリ 2026.07.29 更新
IPO(新規公開株)とは?仕組みと初心者が知るべき点をやさしく解説

「話題の会社がIPO」「IPOに当選した」——投資を始めると耳にする IPO。なんとなく”お得そう”なイメージがあります。

先に、この記事でいちばん伝えたいことを書きます。じつは「IPOは勝率8割」という話は本当です。ただしそれは、公開価格で配分を受けた人の成績です。受けられなかった人が上場初日に買うのは、まったく別のゲームになります。ここを分けずに語られることが多いので、データを見ながら整理します。

IPOとは?

IPO(Initial Public Offering=新規公開株)とは、それまで非上場だった会社が、初めて株式市場に上場して、誰でも株を買えるようにすることです。会社は上場でまとまった資金を調達でき、投資家は新しい銘柄を買えるようになります。

会社が初めて上場(IPO)
会社資金を調達できる
投資家新しい株を買える
市場新銘柄が増える
IPOは会社・投資家・市場の三方に関わるイベント。注目度が高い分、値動きも荒くなりやすい。

「公開価格」と「初値」——この2つがすべて

IPOを理解するカギは、値段が2種類あることです。

何の値段か誰が買えるか
公開価格上場前に決められる、売り出しの値段配分を受けた人だけ。個人は証券会社の抽選などに申し込む
初値上場日に、市場で最初についた値段誰でも。取引時間中に注文を出せば買える

公開価格での配分は、個人向けの抽選枠のほかに、機関投資家への配分や、証券会社が取引実績などをふまえて決める枠もあります。個人が公開価格で手に入れる一般的な道は、証券会社の抽選・配分を受けることです。

この2つの間に差が生まれます。公開価格より初値が高くついた場合、配分を受けた人が初値で売れば、その差額が利益になります(手数料・税金を除く前)。「IPOは当たればおいしい」と言われるのは、この構造のことです。

実際のデータ:2025年のIPOはどうだったか

2025年に日本の取引所へ新規上場した会社のうち、公募・売出しを伴ったIPOは65社でした(前年より21社減)。※新規上場そのものの件数は、公募・売出しを伴わなかった1社を含めて66社です。以下は65社を母数とした集計です。

2025年の国内IPO 65社の内訳
2025年の国内IPO 65社の内訳 初値は公開価格を上回ったか 上回った 53社(81.5%) 10社 グレー=同値2社/濃紺=公開価格を下回った10社 そのうち、初値が公開価格の「2倍以上」になったのは 7社 残る58社は2倍未満(平均は1.39倍) 出典:日本経済新聞・株探の2025年集計。過去の実績であり、将来の結果を示すものではありません
2025年の国内IPO65社のうち、初値が公開価格を上回ったのは53社(81.5%)。ただし2倍以上になったのは7社だけで、平均は1.39倍だった。⚠️この図は事実の提示であり、IPOへの参加を勧めるものではありません。
  • 初値が公開価格を上回った:53社(全体の81.5%)
  • 公開価格を下回った:10社/同値:2社
  • 公開価格に対する初値の倍率は、平均1.39倍(2024年は1.31倍)
  • ただし2倍以上になったのは7社だけ

上場した市場の内訳は、東証グロース41社・スタンダード12社・プライム6社で、残る5社は名古屋・札幌・福岡の各取引所でした。IPOの多くは、まだ規模の小さい成長途上の会社だということが分かります。

ここからが本題──この「81.5%」は誰の成績か

この81.5%という数字は、公開価格で配分を受けた人の成績です。

そして公開価格で買うには、抽選に申し込んで、当たらなければなりません。人気のIPOほど倍率は上がります。多くの人は、当たりません。

では当たらなかった人はどうするか。上場日に市場で買う——つまり初値以降に買うことになります。ここで話がまったく変わります。

初値の時点で、すでに公開価格から平均1.39倍まで上がっているからです。配分を受けた人が得られる利益は、初値がついた瞬間にもう実現しています。初値で買う人は、その上がったあとの値段からスタートすることになります。

さらに2025年は、初値で大きく跳ねた銘柄ほど、その後の数日で下げるパターンが目立ったと報じられています。上場初日は、当選者の利益確定売りと短期資金の売買が集中するため、初値の勢いがそのまま続くとは限りません。

同じ「IPO投資」でも、2つの別々のゲーム
公開価格で配分を受けた人2025年は81.5%が初値で公開価格超え。ただし配分を受けること自体が難しい
上場後に買う人すでに上がった初値から始まる。話題性で買われた直後は値動きが荒い
「IPOは勝率が高い」という話は前者の成績。後者はまったく別の条件で戦うことになる。

そのほかの注意点

内容
✅ 期待される点成長途中の会社に早い段階で投資できる/上場直後は注目が集まりやすい
⚠️ 注意点必ず値上がりするわけではない(2025年も10社が公開価格を下回った)/上場して間もない会社は業績の実績が短く、評価が難しい/人気で抽選に当たりにくい/値動きが荒い

上場したばかりの会社は、公開されている決算の回数が少ないため、決算の読み方 を使っても判断材料が限られます。成長期待で買われる点は グロース株とバリュー株、荒い値動きの理由は 株価が動く理由、割高・割安の見方は PER・PBR とあわせて見ると理解が深まります。上場したばかりの会社は規模も小さいことが多く、時価総額 で立ち位置を確認しておくのも有効です。

抽選に申し込むには

「公開価格で買えないと話にならない」なら、抽選のしくみも知っておく価値があります。

IPOの株は、証券会社を通じて配分されます。ポイントは、証券会社によって扱う銘柄も、当たりやすさも違うことです。

  • 主幹事証券が最も多く配分を受ける:そのIPOの取りまとめ役を担う証券会社に、株数の大半が回ります。当選のしやすさは、ここが大きい
  • 申し込める会社を増やす:同じ銘柄でも複数の証券会社が扱うことがあります。口座を複数持っていれば、それぞれから申し込めます(証券口座の開き方
  • 申込時に資金が要るかは会社ごとに違う:申込の時点で買付代金を用意しておく必要がある会社と、当選後でよい会社があります。資金の拘束期間が変わるので、事前に確認を
  • 配分方法も一律ではない:完全に抽選の枠と、取引実績などを加味する枠を分けている会社があります

なお、当選しても購入を辞退できます。申し込んだあとに目論見書を読んで納得できなければ、無理に買う必要はありません。

フクリの見方

編集部の考えをはっきり書きます。この「勝率8割」を、初値で買う判断の根拠にしてはいけません。別の人の成績だからです。

数字の意味を取り違えると、判断の前提が崩れます。81.5%という数字が語っているのは「公開価格は初値より低めに設定されることが多い」という値付けの傾向であって、「IPO銘柄は上がりやすい」という話ではありません。

そのうえで、編集部の見方は3点です。

  1. “新規=お得”とは限らない。話題が先行しているときほど、高値づかみになりやすい(リスクとリターン
  2. 実績が少ない会社は評価が難しい。決算が数回ぶんしかない会社を、既存の大企業と同じものさしでは測れません
  3. 当たらなくても焦らない。IPOは投資全体のごく一部です。主役はコツコツ続けられる積立や分散のほう(ドルコスト平均法資産配分

この見方が外れるとしたら、公開価格の決め方が変わって初値との差が縮まったときです。実際、公開価格の設定プロセスは見直しが進んでおり、差が縮まれば「当選=利益」という前提も変わります。数字は毎年変わるものとして見てください。

まとめ(3行)

  • IPOは、会社が初めて上場して、誰でも株を買えるようになること。値段は公開価格(抽選)と初値(誰でも)の2種類ある。
  • 2025年は65社が上場し、81.5%が公開価格を上回った。ただしこれは公開価格で配分を受けた人の成績で、2倍以上になったのは7社だけ。
  • 初値で買うのは別のゲーム。「新規=お得」と飛びつかず、投資全体の一部として向き合う。

情報源

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本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の投資勧誘や投資助言を行うものではありません。投資にともなう最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。記載内容の正確性には努めていますが、その完全性・将来の結果を保証するものではありません。

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