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時価総額とは?会社の“大きさ”をはかるものさしをやさしく解説

2026.06.26 ・ 執筆:フクリ 2026.07.29 更新
時価総額とは?会社の“大きさ”をはかるものさしをやさしく解説

「時価総額が世界一」「時価総額○兆円」——よく聞きますが、株価とは何が違うのでしょうか。

先に結論を言います。株価だけを見ていると、会社の大きさを取り違えます。実際、日本には1株154円なのに時価総額14兆円の会社と、1株7万7,700円なのに時価総額はその1.8倍しかない会社が同時に存在します。この記事では、実際の数字を並べながら、そのからくりを解きほぐします。

時価総額とは?

時価総額は、発行されている株式全体に、市場がつけている値段の合計です。計算はシンプルです。

時価総額 = 株価 × 発行済み株式数会社全体の値段
株価1株の値段
株式数発行された株の総数
時価総額会社全体の大きさ
時価総額=株価 × 発行済み株式数。会社の“規模”を表す。

ポイントは、かけ算だということです。株価が高くても、株数が少なければ答えは小さくなります。逆も同じ。だから株価だけを見ても、会社の大きさは分かりません。

⚠️ ひとつ補足します。時価総額は「会社を買うのに必要な金額」ではありません。会社を丸ごと手に入れるなら、株式を買い集めるほかに借金も引き継ぎますし、現金も一緒に手に入ります。実際の買収では上乗せ(プレミアム)も乗ります。時価総額はあくまで株式部分に市場がつけた値段です。

実際の数字で見てみる

言葉で説明するより、本物の数字を見るのが早いです。次は2026年7月27日時点の、日本の主な上場企業の株価と時価総額です。

企業1株の値段発行済み株式数時価総額
ファーストリテイリング77,700円約3.2億株約24.7兆円
キーエンス73,570円約2.4億株約17.9兆円
東京エレクトロン62,550円約4.7億株約29.3兆円
三菱UFJフィナンシャル・グループ3,799円約118.7億株約45.1兆円
NTT154.1円約905.5億株約14.0兆円

出典:Yahoo!ファイナンス「日本株ランキング(時価総額上位)」2026年7月27日 14時56分時点。株価は変動します。⚠️ここに挙げた企業は、しくみを説明するための例であり、投資対象として推奨するものではありません。

株価だけを比べると、とんでもない差に見えます。ファーストリテイリングの1株77,700円は、NTTの154.1円の約504倍です。ところが会社の大きさ(時価総額)で比べると、24.7兆円 対 14.0兆円で、わずか1.8倍しかありません。

なぜか。NTTは株を905億株も発行しているからです。1株あたりは安くても、枚数が桁違いに多い。かけ算の答えは大きくなります。

並べ替えると、順位が入れ替わる

同じ5社を「株価の高い順」と「時価総額の大きい順」で並べると、順番がまるで違います。

株価の順位と、会社の大きさの順位は一致しない
株価の順位と時価総額の順位の比較 株価の高い順 会社の大きさ(時価総額)の順 ファーストリテイリング77,700円 キーエンス73,570円 東京エレクトロン62,550円 三菱UFJ3,799円 NTT154.1円 三菱UFJ45.1兆円 東京エレクトロン29.3兆円 ファーストリテイリング24.7兆円 キーエンス17.9兆円 NTT14.0兆円 2026年7月27日時点
株価では4番目だった三菱UFJが、会社の大きさでは1番になる。株価1位のファーストリテイリングは3位に下がる。順位が入れ替わるのは、発行している株数が会社ごとに大きく違うため。

株価で4番目だった三菱UFJが、会社の大きさでは1番になります。株価1位のファーストリテイリングは3位に落ちる。同じ5社なのに、ものさしを変えるだけで順番が変わってしまう。これが「株価では大きさが分からない」という意味です。

なお日本の上場企業は全部で約3,900社あります(2026年7月時点・プロ投資家向けのTOKYO PRO Marketを含む全市場。一般の個人が売買できるプライム・スタンダード・グロースの3市場では約3,700社)。その中で時価総額が数十兆円という会社は、ごく一握りです。

株式分割では、時価総額は変わらない

もうひとつ、初心者がつまずきやすい場面があります。株式分割です。

株式分割とは、1株を2株、3株などに分けることです。「株が増えた!」と得したように感じますが、会社の大きさは1円も変わりません

分割前1株→2株に分割後
株価6,000円3,000円
発行済み株式数1億株2億株
時価総額6,000億円6,000億円(変わらない)

ピザを4切れから8切れに切り分けても、ピザ全体の大きさは変わりません。分割はそれと同じです。株価が半分になるのは値下がりではなく、1切れが小さくなっただけ。ここを取り違えると、「急に半値になった」と驚くことになります。くわしくは 株式分割とは? で解説しています。

一方で、時価総額が本当に動く場面もあります。

  • 株価が変わったとき:これが日々の変動の中心。市場の評価が上下すれば、そのまま時価総額に反映されます
  • 自社株買いをしたとき:会社が自分の株を買い戻して消却すると、株数が減ります(自社株買いとは?
  • 増資をしたとき:新しく株を発行して資金を集めると、株数が増えます(増資とは?

なぜ時価総額が大切なのか

  • 会社の規模感がわかる:大型株(大企業)か小型株(中小)かの目安になります
  • 値動きの性格が変わる:一般に大型株は値動きが比較的おだやか、小型株は大きく動きやすい傾向があります
  • 指数への影響:TOPIXのように時価総額をもとに計算される指数では、大きい会社ほど指数の動きを左右します(株価指数とは?)。全世界株・S&P500 のような世界の指数も同じ考え方です
  • 成長の伸びしろ:小さい会社は伸びしろが大きい一方で、リスクも大きくなります(グロース株とバリュー株

割高・割安の判断は時価総額そのものではなく PER・PBR で見ます。株価が動く理由は 株価が動く理由 をどうぞ。

フクリの見方

編集部の考えを書きます。時価総額は会社の実力ではなく、いま市場がつけている値段です。ここを混同しないことが、いちばん大事だと考えています。

時価総額は株価から計算されます。そして株価は、期待や不安で日々動きます。つまり時価総額は、その会社が生み出した利益の大きさではなく、市場が今この瞬間にどう評価しているかの数字です。同じ会社でも、1年前と今とで時価総額が倍になったり半分になったりします。中身が倍になったわけではありません。

だから編集部は、時価総額を実力の証明ではなく、立ち位置の確認として使うことをおすすめします。具体的には次の3点です。

  • 株価の高い・安いに惑わされない。大きさは時価総額で見る。1株154円の会社が14兆円ということが、現実に起きています
  • 規模で値動きの性格が変わると知っておく。大型は比較的おだやか、小型は変動が大きめ、という傾向
  • 大きさ=良し悪しではない。規模は一面にすぎません。利益が出ているか、伸びているかは、決算 を見ないと分かりません

まとめ(3行)

  • 時価総額は、株価 × 発行済み株式数で求める「会社全体の値段=大きさ」。
  • 株価が高い=大きい会社、ではない。株価1位の会社が、大きさでは3位になることが実際に起きる。
  • 株式分割では時価総額は変わらない。時価総額は市場が今つけている値段であり、実力そのものではない。

情報源

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本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の投資勧誘や投資助言を行うものではありません。投資にともなう最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。記載内容の正確性には努めていますが、その完全性・将来の結果を保証するものではありません。

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