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フジクラはなぜ下げた? 電線株の下げの半分以上は、前の晩の米国の光部品株の動きだった

2026.10.27 2026.11.03 更新
フジクラはなぜ下げた? 電線株の下げの半分以上は、前の晩の米国の光部品株の動きだった

📌 この記事は公開情報(各社の開示、報道、市場データ)にもとづく情報提供・解説であり、特定の銘柄の売買を勧めるものではありません。数値は特記なき限り2026年10月27日時点のものです。

🔄 2026年11月3日に更新しました。 住友電工の決算の2日の結果です。10月29日の終値1,870円から11月2日の終値1,663円まで11.1%下げ、TOPIX(−1.6%)を9.65ポイント下回りました。「TOPIXより上げる」という予想は外れです。普段の振れ幅の約1.8倍の下げで、2倍には届いていません。決算では、4〜9月の営業利益が2,196億円(前年同期比+43.5%)で、今期の営業利益の予想を4,500億円から5,000億円に引き上げました。情報通信部門の営業利益は612億円(前年同期より392億円増)です。予想を引き上げて2日で下げたのは、2026年7月に続いて2回目です。下げた理由は、今あるデータでは分かりません。

10月、フジクラ・古河電工・住友電工・SWCC(旧昭和電線ホールディングス)の電線株が大きく下げました。AIのデータセンターで使う光ファイバーや電線の注文が増えるという期待で、この1年に買われてきた会社です。

持っている電線株が下げ続けると、会社の業績が悪くなったのではないかと気になるところです。

この記事の答えは、10月の下げの半分以上は前の晩の米国の光部品株につられた分で、4社の業績の数字はまだ1つも出ていない、というものです。電線株が業績で大きく動いてきたのは自分の決算の日で、その最初は10月30日の住友電工です。

下げの半分以上は、前の晩の米国の光部品株

10月8日から10月27日までの電線4社の下げは、米国の光部品5社の下げとほぼ同じ大きさでした。日ごとに比べると、4社とも下げの半分以上が前の晩の米国の動きで説明できます。

米国の光部品5社は、AIのデータセンターで使う光ファイバーや、光の信号をやりとりする部品を作る会社です。米国の報道によると、光部品株は10月8日に利益を確定する売りで下げ始めました。12日には、半導体大手ブロードコムのホック・タンCEOが、AIの広がりを止めるのは半導体の不足より資金の調達かもしれない、という見方を示したと伝えられ、売りが広がっています。

日本では10月15日に、日経平均が1日で4.90%下げました。前の晩に米国の物価の上がり方が予想を上回り、AI向けのデータセンターを貸し出す米コアウィーブの社債(2032年満期)の値段が額面1ドルあたり77セント台まで下がったためです。社債の値段が下がるのは、お金を貸した側が返済を心配しているしるしで、AIの投資を支えるお金への不安が広がりました。

東京の取引は米国より先に終わるので、東京の株が反応するのは前の晩の米国の動きです。過去1年の日ごとの値動きでは、前の晩の米国の光部品5社が平均で1%動くと、フジクラは平均で約0.5%動いてきました。この連動の強さを10月の日々に当てはめて積み上げると−17.0%になり、実際の下げ(−25.8%)の約7割にあたります。

ほかの3社も、下げの半分以上がこの分で説明できます。同じ計算を米国の株式市場全体(S&P500)でしても−3.2〜−4.6%にとどまります。電線4社がつられたのは米国の市場全体ではなく、AIの光部品の株でした。残りの下げには、日本の市場全体の下げ(TOPIXは−2.2%)や、それぞれの会社だけの動きが入っています。

この間、4社は決算も業績の予想の修正も出していません。

大きく動くのは、自分の決算の日

電線4社の株価が普段の2倍を超えて動いたのは、自分の決算の2日では47回中28回でした。米コーニングの決算の翌日は48回中3回で、普段の日と変わりません。

普段の2倍とは、それぞれの会社の前の250営業日の値動きの振れ幅(標準偏差)の2倍のことです。普段の日でも8%ほどはこれを超えます。決算の2日は、発表の前日の終値から翌営業日の終値までで数えました。

コーニングは光ファイバーの大手の米国の会社です。2025年7月30日にフジクラが8.9%上げて上場来高値を付けたときも、前の晩のコーニングの好決算が材料に挙げられました。2023年10月からの12回の決算で、翌日のフジクラがコーニングと同じ向きに動いたのは9回でした。ただ、大きさはほとんどが普段の範囲で、普段の2倍を超えたのは4社合わせて3回です。

会社決算の回数2倍を超えた回次の決算
フジクラ12回6回(上げ4・下げ2)11月10日(火)
古河電工11回6回(上げ5・下げ1)11月9日(月)
住友電工12回9回(上げ9・下げ0)10月30日(金)
SWCC12回7回(上げ5・下げ2)11月11日(水)

決算で下げた回もあります。フジクラは5月13日に高値を付け、翌日の決算の2日でTOPIXより24.8ポイント下げました。5〜6月の高値からの下げは、ここから始まっています。

関連企業と日本の接点

4社の株価は、5〜6月の高値から4〜5割下げています。10月の下げは、その後に来た2回目の下げです。

会社上場この話での位置株価(10月27日)
フジクラ(5803)東証プライムデータセンター向けの光ファイバー・光ケーブル。今期の営業利益の予想は4,320億円4,092円
古河電気工業(5801)東証プライム光ファイバー・光ケーブルと電力ケーブル2,851円
住友電気工業(5802)東証プライム光ファイバーと光の部品のほか、自動車の配線(ワイヤーハーネス)が大きな事業。今期の営業利益の予想は4,500億円1,830円
SWCC(5805)東証プライム電力ケーブルと通信ケーブル(旧昭和電線ホールディングス)2,257円

時価総額はフジクラが約7.3兆円、住友電工が約5.8兆円で、4社の中で大きい2社です。米国の光部品5社は、日本の取引所には上場していません。光ファイバーの原料の調達については、ゲルマニウムの記事でフジクラへの影響を数えています。

4社の5〜6月からの下げを、10月の米国の動きだけで説明することはできません。フジクラの5月の決算のような、それぞれの会社の材料も入っています。

次の山場は10月30日の住友電工の決算

4社の決算は、10月30日の住友電工から11月11日のSWCCまで続きます。株価が業績で大きく動いてきたのは、この4回です。

10月28水
米国の決算

米コーニングの決算への東京の反応

決算は日本時間の27日の夜。前例では翌日の電線株はほとんど普段の範囲

10月30金
決算山場

住友電工の決算

見る数字

  1. 光ファイバーなど情報通信の部門の売上と利益
  2. 今期の営業利益の予想(4,500億円)を引き上げるか
  3. データセンター向けの注文の見通し
11月2月
答え合わせ予想

住友電工の決算の2日

10月29日の終値→11月2日の終値のTOPIXとの差

11月9月
決算

古河電工の決算

光ファイバーとデータセンター向けの事業の伸び

11月10火
決算山場

フジクラの決算

見る数字

  1. データセンター向けの光ファイバー・光ケーブルの売上
  2. 今期の営業利益の予想(4,320億円)の扱い
11月11水
決算

SWCCの決算

4社の最後

決算までの日々も、前の晩の米国の光部品株の動きが東京の電線株を動かします。過去1年の日ごとの値動きのうち、前の晩の5社の動きで説明できるのはフジクラで約2割です。10月のように5社がそろって大きく下げた時期には、その分が下げの半分以上を占めました。

予想:住友電工は決算の2日でTOPIXより上げる

🔄 11月2日の結果:TOPIXとの差は−9.65ポイントで、予想は外れました(冒頭の更新を参照)。

住友電工は、10月30日の決算の2日(29日の終値→11月2日の終値)で、TOPIXより上げると見ています。

理由は2つです。

  • 前例の向きがそろっている:2023年11月からの12回の決算で、2日でTOPIXより上げたのは10回でした。普段の2倍を超えて下げた回はありません。
  • 10月の下げは業績の数字が出る前の下げ:下げの半分以上は前の晩の米国の光部品株の動きで、住友電工は決算も予想の修正も出していません。

ただ、予想を引き上げれば上がるとは限りません。2026年7月の決算は営業利益の予想を引き上げましたが、2日の動きはTOPIXとの差で−2.0ポイントでした。フジクラ・古河電工・SWCCの決算の向きは予想しません。決算の2日に大きく上げた回と大きく下げた回の両方があるためです。

で、儲かるのか

この記事の答え

10月の電線株の下げは、半分以上が前の晩の米国の光部品株につられた分でした。4社の業績の数字は、まだ1つも出ていません。電線株が業績で大きく動いてきたのは自分の決算の2日で、前例では6割の回で普段の2倍を超えました

下げが行き過ぎかどうかは、10月30日から11月11日までの4社の決算で、今期の予想とデータセンター向けの注文の見通しを見て判断します。

決算までの日々

米国の光部品株が前の晩に動く

→翌日の東京で
つられて動く
予想を引き上げる

データセンター向けの注文が続く

↑決算の2日に
大きく上げる余地
注文が鈍る

決算で見通しを弱める

↓米国につられた下げに
自社の下げが重なる

情報源

  • 米国の光部品株の動き:24/7 Wall St.「Optics Stocks Tumble as Profit Taking Cuts Into Big Yearly Gains」(2026年10月8日)、「Applied Optoelectronics Dives 9% as AI Funding Fears Hit Optical Stocks」(2026年10月14日)
  • 10月15日の日経平均とコアウィーブの社債:ピクテ・ジャパン「Deep Insight」(2026年10月16日)、株探(2026年10月15日の報道)
  • フジクラの2025年7月30日の上げ:PayPay証券「株価が動いた理由」(2025年7月30日)
  • コーニングの決算の日:alphaquery(GLWの決算の履歴)
  • 決算の発表日・時価総額・業績の予想:株探(各社の決算・業績のページ、2026年10月27日に確認)
  • 株価:Yahoo Financeの日次終値(日本の4社・TOPIX連動ETF〔1308〕・米国の5社・S&P500)
  • 計算:普段の振れ幅=前の250営業日の、TOPIXとの差の標準偏差(2日の動きはその√2倍で割った)。前の晩の米国で説明できる分=2025年10月8日〜2026年10月8日の、日本の会社の日ごとの騰落と前の晩の米国の光部品5社の平均の傾きを使った
免責事項

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の投資勧誘や投資助言を行うものではありません。投資にともなう最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。記載内容の正確性には努めていますが、その完全性・将来の結果を保証するものではありません。

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フクリ Fukuri編集部のナビゲーターです。海外の投資・経済ニュースを、一次情報にあたって日本の読者向けにまとめています。記事の企画・編集・公開の責任は、運営責任者が負っています。
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