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SNS投資詐欺の最新手口|なりすまし広告とロマンス投資詐欺はこう近づいてくる

2026.07.07 ・ 執筆:フクリ
SNS投資詐欺の最新手口|なりすまし広告とロマンス投資詐欺はこう近づいてくる

「〇〇氏がAI投資法を無料公開」というSNS広告。マッチングアプリで知り合った、優しくて投資に詳しい外国の人。——実はどちらも、いま日本で被害が急増している投資詐欺の入口かもしれません。

警察庁の統計では、2025年(令和7年)のSNS型投資詐欺の被害額は約1,288億円、SNS型ロマンス詐欺は約546億円と、どちらも前年から大きく増えました。しかも手口は「怪しい儲け話」ではなく、信頼できそうな顔をして近づいてくるのが特徴です。

この記事では、①著名人なりすまし型の偽広告、②ロマンス投資詐欺という2大手口が「どうやって近づいてくるか」を流れで解説し、③入口でブロックする方法までを紹介します。なお「元本保証」「必ず儲かる」といった危険な言葉の見分け方は、姉妹記事の投資詐欺の見分け方で解説しています。本記事は言葉ではなく手口と経路に注目する補完編です。

被害はどれくらい増えている?

まず全体像です。警察庁が公表した確定値によると、SNSを通じた投資詐欺・ロマンス詐欺の被害は、認知件数・被害額ともに前年から約1.4〜1.5倍に増えています。

SNS型投資詐欺・SNS型ロマンス詐欺の被害額の推移 871.1 1,288.0 400.9 546.4 投資詐欺 2024年 投資詐欺 2025年 ロマンス詐欺 2024年 ロマンス詐欺 2025年 単位:億円(SNS型投資詐欺/SNS型ロマンス詐欺の被害額)
出典:警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」(2026年5月公表)。SNS型投資詐欺は前年比約1.5倍、SNS型ロマンス詐欺は約1.4倍に増加。

被害者の年齢層は、どちらの手口も40代から60代が中心です。「詐欺は高齢者だけの問題」ではなく、スマホで投資情報を集める現役世代こそ狙われています。リスクとリターンの感覚が身につく前の投資初心者は、特に注意が必要です。

手口①:著名人なりすまし型の偽広告

FacebookやInstagram、YouTubeなどで、実在の著名な経営者・投資家・芸能人の写真や動画を無断使用した偽広告が入口になる手口です。証券会社や報道機関のロゴをかたるケースもあります。金融庁も「著名人を騙る者からの投資勧誘」として繰り返し注意喚起しており、警察庁の統計でも、SNS型投資詐欺のうちバナー等の広告をきっかけとした被害が2025年に3,785件(前年比約1.3倍)確認されており、当初の接触手段として最多です。

典型的な流れはこうです。

SNSで「著名人の投資広告」を見かける
偽広告著名人の写真・ロゴを無断使用
グループへ誘導LINE登録・投資グループに招待
偽の利益画面アプリ上では儲かって見える
出金できない手数料・税金名目で追加請求
著名人なりすまし型の偽広告の典型的な経路(金融庁・警察庁の注意喚起をもとに作成)。広告をクリックした時点では「投資の勉強」のつもりでも、最後は出金できなくなる。

ポイントは、広告の時点では詐欺と気づきにくいことです。誘導先のLINEグループでは「講師」や「アシスタント」を名乗る人物が丁寧に投資を教えてくれて、グループ内には「利益が出ました!」と報告するサクラが大勢います。指定されたアプリやサイトに入金すると、画面上では順調に利益が増えていく。ところが出金しようとすると「手数料」「税金」の名目で追加入金を求められ、最後は連絡が途絶えます。

警察庁は、こうした偽広告に共通する特徴として、次の点を挙げています。

  • 日本語の表記が崩れているなど、広告として不自然な点がある
  • 著名人をかたっているのに未認証アカウントを使っている
  • すぐにLINE登録へ誘導しようとする
  • 「必ず儲かる」「元本保証」などの甘い言葉を使う(この言葉が出たら即アウトです。詳しくは投資詐欺の見分け方

本物の著名人や証券会社が、SNS広告から個人のLINEグループに誘導して「確実に儲かる投資法」を教えることは、まずありません。

手口②:ロマンス投資詐欺(SNS型ロマンス詐欺)

もう1つの急増している手口が、警察庁の統計で「SNS型ロマンス詐欺」と呼ばれるものです。国民生活センター(越境消費者センター)では「ロマンス投資詐欺」という呼び方でも相談事例が紹介されています。

こちらの入口は広告ではなく、人間関係そのものです。最初の接触ツールを見てみましょう。

ロマンス詐欺はどこで接触してくる?
SNS型ロマンス詐欺の当初接触ツール別の割合(2025年) 32.7% マッチングアプリ
マッチングアプリ 32.7%  Instagram 22.8%  Facebook 18.6%  その他 25.9%。 出典:警察庁・令和7年(2025年)確定値。認知件数5,645件の当初接触ツール別内訳。

出会いの場はマッチングアプリやSNSですが、その後の連絡は9割以上がLINEに移行します(警察庁・2025年確定値では93.8%)。そして数週間から数か月かけて毎日やり取りし、恋愛感情や親近感を育ててから、「二人の将来のために」と暗号資産やFXへの投資を持ちかけてくるのが典型パターンです。

ここで重要なのは、勧められる投資先が偽のサイトやアプリであることです。入金すると画面上では利益が増えていくため、本人は「本当に儲かっている」と信じてしまい、追加入金を重ねます。出金を申し出た途端に「税金や手数料が必要」と言われ、支払っても出金できず、最後は相手と連絡が取れなくなる——。手口①と同じ結末です。なお2025年は、だまし取られたお金を暗号資産で送金させるケースがロマンス詐欺で2,177件・約248億円と、被害額ベースで前年の約2.9倍に急増しました。暗号資産そのものの基礎はビットコイン入門で解説していますが、「送金先を相手が指定してくる暗号資産投資」はまず疑ってください。

2つの手口は「入口が違うだけ」

並べてみると、2つの手口は入口が違うだけで、その後の構造はほぼ同じだと分かります。

手口①なりすまし広告手口②ロマンス投資詐欺
入口SNSの偽広告(著名人・ロゴを無断使用)マッチングアプリ・SNSでの出会い
信頼のつくり方著名人の知名度・サクラの成功報告時間をかけた恋愛感情・親近感
誘導先LINEの投資グループLINEの1対1トーク
投資先偽の投資アプリ・サイト偽の投資アプリ・サイト(暗号資産が多い)
結末出金時に追加請求→連絡途絶出金時に追加請求→連絡途絶

共通するのは、①LINEへ誘導される、②偽の利益画面を見せられる、③出金しようとすると追加のお金を要求される、という3点です。逆に言えば、この流れを知っておくだけで、途中で「あのパターンだ」と気づけます。

入口でブロックする4つの行動

  • 広告の著名人は本人か確認する:金融庁は「まず、なりすましを疑い、本人の公式アカウントの発信を確認する」よう呼びかけています。本物の著名人が無料の投資グループに招待することは基本的にありません。
  • 会ったことのない人からの投資話は疑う:マッチングアプリやSNSで知り合っただけの相手から投資の話が出たら、それ自体を警告サインと考えてください。
  • 業者が金融庁に登録されているか調べる:日本で投資の勧誘を行うには登録が必要です。金融庁サイトの「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」で確認できます。投資を始めるなら、こうした登録を受けた証券会社で証券口座を開くのが大前提です。
  • 個人名義の口座・指定された暗号資産アドレスに送金しない:正規の金融機関が個人口座への振込を求めることはありません。

それでも「怪しいけれど確信が持てない」ときは、送金する前に相談してください。消費者ホットライン188警察相談専用電話#9110、金融庁の金融サービス利用者相談室(0570-050588)が窓口です。

フクリの見方

  • 詐欺の手口は流行り廃りがありますが、出金させない・追加で払わせるという骨格は変わりません。流れごと覚えるのがいちばんの防御です。
  • 本物の投資に、LINEグループも特別ルートもいりません。登録業者の口座で、分散投資をコツコツ続ける。地味ですが、それが王道です。
  • 「自分は大丈夫」と思っている人ほど、感情を動かされたときに弱い。迷ったら送金前に188、を合言葉にしてください。

まとめ(3行)

  • 2025年のSNS型投資詐欺の被害額は約1,288億円、SNS型ロマンス詐欺は約546億円と急増(警察庁確定値)。狙われるのは40代から60代の現役世代が中心。
  • 2大手口は、著名人をかたる偽広告と、恋愛感情につけ込むロマンス投資詐欺。入口は違っても「LINE誘導→偽の利益画面→出金時に追加請求」という流れは共通。
  • 公式アカウントで本人確認、金融庁の登録業者か確認、個人口座・指定アドレスへ送金しない。迷ったら消費者ホットライン188へ。

情報源

免責事項

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の投資勧誘や投資助言を行うものではありません。投資にともなう最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。記載内容の正確性には努めていますが、その完全性・将来の結果を保証するものではありません。

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