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「PER」と「PBR」を世界一やさしく解説──株が“割安か割高か”の見方

2026.06.22 ・ 執筆:フクリ 2026.07.29 更新
「PER」と「PBR」を世界一やさしく解説──株が“割安か割高か”の見方

「この株は割安? 割高?」を測る代表的なものさしが、PERPBRです。名前は難しそうですが、考え方はシンプルです。

そして先に、この記事でいちばん伝えたいことを書きます。PERが低いから割安、とは言えません。東証の実データを見ると、業種によってPERは8倍台から35倍台まで4倍以上開いています。比べる相手をまちがえると、このものさしは役に立ちません。

PERってなに?──“もうけ”に対する株価の高さ

PER(株価収益率)は、会社の利益に対して、株価が何倍まで買われているかを表します。

たとえばPERが15倍なら、「いまの利益が続くと仮定して、約15年分の利益で株価のもとが取れる」というイメージです。数字が小さいほど”割安”、大きいほど”割高(=将来の成長を期待されている)“の目安になります。

💡 たとえ話:同じ家賃収入を生むアパートでも、価格が高ければ「もとを取るのに時間がかかる=割高」。PERは、株を”利益を生む資産”として見たときの「もとの取りやすさ」だと考えると分かりやすいです。

PBRってなに?──“会社の財産”に対する株価の高さ

PBR(株価純資産倍率)は、会社の純資産(財産)に対して、株価が何倍かを表します。

  • PBR 1倍 = 株価と会社の純資産がちょうど同じ
  • PBR 1倍割れ = 会社の財産より株価が安い、とも読める

PBR1倍割れは、東証が上場企業に資本効率の改善を求める背景にもなりました(自社株買い株式分割が増えている理由でもあります)。

ふたつのものさしを整理

実際の数字を見てみる──業種でこれだけ違う

ここからが本題です。東京証券取引所が毎月公表している、業種別のPER・PBRを見てください。プライム市場・2026年6月末時点の数字です。

業種別のPER(プライム市場・2026年6月末・単純平均)
業種別PERの比較 電気機器 35.2倍 精密機器 26.9倍 プライム市場全体 19.0倍 鉄鋼 11.7倍 海運業 8.4倍 出典:日本取引所グループ「規模別・業種別PER・PBR(連結)」 2026年6月末時点。数値は変動します
同じプライム市場でも、電気機器35.2倍と海運業8.4倍では4倍以上の開きがある。⚠️この図は事実の提示であり、特定の業種や銘柄を勧めるものではありません。

PBRも同じように分かれます。

業種PER(倍)PBR(倍)
電気機器35.23.1
精密機器26.92.5
機械25.22.0
プライム市場 全体19.01.6
輸送用機器14.10.9
鉄鋼11.70.7
電気・ガス業9.80.7
海運業8.40.7
パルプ・紙13.30.6

出典:日本取引所グループ「規模別・業種別PER・PBR(連結)」プライム市場・2026年6月末時点の単純平均。

大きな区分で見ても、製造業はPER23.4倍・PBR1.7倍、非製造業はPER15.4倍・PBR1.5倍と差があります。

ここから分かることは1つです。PER10倍だから割安、という言い方は、業種を無視すると意味を持ちません。海運業の10倍は市場平均より高く、電気機器の10倍は極端に低い。同じ数字が、業種によって逆の意味になります。

どこで見られるのか

PER・PBRは、自分で計算しなくても確認できます。

見たいものどこで見るか
個別銘柄のPER・PBR証券会社の銘柄情報ページ、Yahoo!ファイナンスなどの株価サイト
市場全体・業種別の平均JPXの「規模別・業種別PER・PBR」(毎月第1営業日に更新・無料)
計算のもとになる利益・純資産各社の決算短信EDINET

同業と比べるなら、JPXの業種別データが基準になります。気になる銘柄のPERを見たら、その会社が属する業種の平均と並べてみてください。それだけで「高いのか安いのか」の意味が変わります。

なお、株価サイトに載っているPERには実績PER(すでに確定した利益で計算)と予想PER(今期の予想利益で計算)があります。どちらを見ているかで数字が変わるので、比べるときはそろえることが大切です。

使うときの注意点(ここが大事)

PER・PBRは便利ですが、それだけで「買い・売り」を決められるものではありません

  • 割安に見えても理由があることも:人気がないのは、業績の先行きが不安だから、というケースがあります
  • 業種で水準が大きく違います:上のデータのとおりです。同じ業種どうしで比べるのが基本です
  • PERは利益がマイナスだと計算できません:赤字の会社にはPERが出ません。成長途上の会社を評価しにくいのはこのためです
  • 数字は過去〜現在のもの:来期の予想利益で計算した「予想PER」もありますが、予想が外れれば数字も変わります
  • PBRが低い会社が”お買い得”とは限りません:資産の中身(すぐ現金化できるか、古い設備ではないか)まで見ないと判断できません

💡 ものさしは一つでなく、複数を組み合わせて総合的に見るのが基本です。株価が動く理由は株価が動く理由、利益の中身は決算書の読み方、配当に注目した指標は配当金、資本効率はROE・ROAもあわせてどうぞ。

フクリの見方

編集部の立場を書きます。PERとPBRは「割安な株を探す道具」ではありません。「なぜこの値段がついているのかを考える出発点」です。

理由は、上のデータが示しています。電気機器のPERが35倍で海運業が8倍なのは、市場が電気機器を間違って評価しているからではありません。成長への期待、業績の振れ幅、資産の重さ——それぞれの業種の性格が数字に出ているだけです。数字の高い低いには、たいてい理由があります。

だから編集部は、PER・PBRをこう使うことをおすすめします。

  • まず同業と比べる。市場平均と比べても、業種の性格が違えば意味を持ちません
  • 次に「なぜこの水準なのか」を考える。同業より低いなら、何を懸念されているのか。高いなら、何を期待されているのか
  • 数字だけで結論を出さない決算で利益の中身を見て、その期待や懸念が妥当かを確かめる

この見方が外れるとしたら、業種の垣根がなくなったときです。実際、同じ「電気機器」でも半導体製造装置と家電では事業の性格がまったく違います。業種分類そのものが実態に合わなくなれば、同業比較の前提も崩れます。そのときは、事業の中身が近い会社どうしで比べる必要があります。

まとめ(3行)

  • PERは「利益」、PBRは「純資産」に対して株価が何倍かを見るものさし。
  • 業種による差が大きい。プライム市場では電気機器のPER35.2倍に対し、海運業は8.4倍。同じ数字が業種によって逆の意味になる
  • 割安・割高を当てる道具ではなく、「なぜこの値段なのか」を考える出発点として使う。

情報源・参考

免責事項

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の投資勧誘や投資助言を行うものではありません。投資にともなう最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。記載内容の正確性には努めていますが、その完全性・将来の結果を保証するものではありません。

フクリ
フクリ Fukuri編集部のナビゲーターです。海外の投資・経済ニュースを、一次情報にあたって日本の読者向けにまとめています。記事の企画・編集・公開の責任は、運営責任者が負っています。
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