特集

カプセルトイ(ガチャガチャ)市場が過去最高額に──ブームを支える会社と株価の明暗を徹底整理

2026.09.11
カプセルトイ(ガチャガチャ)市場が過去最高額に──ブームを支える会社と株価の明暗を徹底整理 1枚目 1 / 13
フクリ
スワイプか矢印で
スライドを送れるよ!

📌 この記事は公開情報(業界団体の調査、各社の決算資料と会社説明、市場データ)をもとにした情報提供・解説です。数値は執筆時点(2026年9月11日)で確認できた情報にもとづくもので、状況は今後変わり得ます。

ショッピングモールの一角や駅の中に、ガチャガチャのマシンがずらりと並ぶ専門店。ここ数年で、急に増えたと感じませんか。

実際、カプセルトイの市場は2025年度に約1,960億円と過去最高を更新し、2年で1.7倍になりました。

記事上部のスライドは、ガチャガチャの妖精が案内する「ひみつ探検ツアー」仕立てです。ゆるい世界観で全体をつかんでから本文に進むと、読みやすいと思います。

先に結論を言うと、市場の伸びは本物です。ただし、関わる上場企業の株価は、会社ごとに大きく分かれました。

カプセルトイ(ガチャガチャ)の市場規模は2年で1.7倍

数字は日本カプセルトイ協会の調査(製造元出荷ベース)です。前年度の1,410億円から39.0%増え、伸び率も前年度の22.6%を上回りました。

伸びの中身は、大きく3つです。

買う人が広がった

年4〜5個

日本人1人あたりの計算(年間およそ5億5千万個)。20〜30代の女性を中心に、男女・年齢を問わず広がっている

高い商品が主流に

48.1%

1個400円と500円の商品の割合。200円の商品はほぼ姿を消した

売り場が増えた

900店超

カプセルトイ専門店の数(2026年1月末)。1年で200店以上増えた

カプセルトイに関わる会社──作る・運ぶ・置く

ガチャガチャに関わる会社は、大きく3つに分けられます。

最大手はガシャポンのバンダイで、2024年度に約2億2,000万個を出荷しました。自社の統合レポートでは「国内市場で約6割のトップシェア」と説明しています。売り場の側では、2025年4月にオリックスが「ガチャガチャの森」を運営するルルアークの全株式を取得し、話題になりました。ゲオグループも専門店「カプセル楽局」を展開しており、公式サイトの店舗一覧には関東を中心に70店を超える店舗が載っています(2026年9月11日時点)。

カプセルトイ関連株の株価、明暗が分かれた

役割の違う上場4社の株価を、2023年3月31日を100にそろえて並べました(9月11日の終値)。

  • ハピネット(卸・運営)は402。約4倍です
  • バンダイナムコHD(メーカー)は188。日経平均(228)を下回っています
  • ゲオHD(売り場)は138。こちらも日経平均を下回っています
  • イオンファンタジー(売り場)は97。起点とほぼ同じ水準です

株価は業績だけでなく、期待や相場全体でも動きます(くわしくは株価が動く理由)。

ハピネット:ガチャを扱う事業の利益が7割増

ハピネットは、カプセル玩具の自販機やキッズ向けカードゲーム機の運営、専門店「gashacoco」をアミューズメント事業として分けて開示しています。2026年3月期は、この事業の売上は654億円、利益は52億円でした(それぞれ前期比24.9%増、71.7%増)。gashacocoは154店まで増えています。

ただし、ゲーム事業の利益も前期の8.7倍になり、利益の額がいちばん大きいのは玩具事業です。株価の4倍は、ガチャだけの結果ではありません。 事業ごとの数字の見方は決算書の読み方で解説しています。

バンダイナムコHD:ガチャは大きな会社の一部

バンダイナムコHDの2026年3月期の連結売上高は1兆3,482億円です。カプセルトイの市場全体(1,960億円)でも、その15%に満たない大きさです(集計の基準が違うので、目安としての比較です)。会社はガシャポンが業績に貢献したと説明していますが、株価はゲームやアニメまで含めた会社全体で動きます。

イオンファンタジー:最高益でも株価は横ばい

カプセルトイ専門店「TOYS SPOT PALO」などを2026年2月期に53店出して、累計244店にしました。国内事業の営業利益は70億円(9.3%増)で、3期連続の過去最高です。

一方で、アセアン事業は減益、中国事業は赤字が続いています。国内の売り場が伸びても、株価は会社全体を映します。

ゲオHD:伸びの中心はリユース

ゲオHDの2026年3月期は、売上高4,812億円(12.5%増)、営業利益142億円(26.6%増)でした。報道では、伸びの中心はリユースのセカンドストリートで、国内外で好調だったとされています。カプセル楽局は、会社全体から見れば一部の事業です。

カプセルトイ関連企業一覧

登場した企業を、確認できた情報の確度で3つに分けました。

区分①:カプセルトイの数字を自社で公表している企業

企業名コード上場確認できた内容
バンダイナムコHD7832上場ガシャポンを2024年度に約2億2,000万個出荷(ギネス世界記録)。統合レポートで国内シェア約6割と説明
ハピネット7552上場カプセル玩具などのアミューズメント事業は売上654億円・利益52億円(2026年3月期)。gashacocoは154店
イオンファンタジー4343上場カプセルトイ専門店は累計244店(2026年2月期)
ゲオHD2681上場グループで専門店「カプセル楽局」を展開。公式サイトの店舗一覧に70店超(2026年9月11日時点)。主力はリユースのセカンドストリート

区分②:カプセルトイを手がけているが、その数字は個別に確認できなかった企業・参入したばかりの企業

企業名コード上場確認できた内容
タカラトミー7867上場子会社のタカラトミーアーツが「ガチャ」ブランドでカプセルトイを展開
ブシロード7803上場グループ会社のブシロードクリエイティブが「ブシカプ!」ブランドで展開
フリュー6238上場2026年6月に参入を発表し、12月から発売を始める予定
オリックス8591上場2025年4月に、「ガチャガチャの森」を運営するルルアークの全株式を取得

区分③:個人が直接は買えない先

企業名コード上場確認できた内容
ルルアーク—非上場「ガチャガチャの森」などの専門店を運営。オリックスの子会社

強気シナリオと慎重シナリオ

強気シナリオ伸びを支える材料
専門店がまだ増えている1年で200店以上増え、2026年1月末で900店を超えた
単価が上がっている1個400円と500円の商品が48.1%を占める
海外へ売り場が広がるハピネットは米国でバンダイの公式ショップを3年後に60店まで広げる計画と報じられている
新しい参入が続くフリューが2026年12月から発売を始める
慎重シナリオ伸びを鈍らせうる材料
都市部の専門店は飽和ぎみ協会自身が2025年2月に「首都圏の主要都市周辺では飽和状態」と指摘している
値上げが客足に響くかどうか400〜500円の商品が主流になった
株価はすでに動いたあとハピネットは2023年3月末の約4倍になっている
ガチャだけの数字は見えにくいハピネットの数字はキッズ向けカードゲーム機を含み、バンダイナムコではトイホビー事業の一部になっている

テーマ株は値動きが大きくなりがちです。投資を考えるときは、分散投資の考え方もあわせて押さえておきたいところです。

フクリの見方

この市場で見ておきたいのは、市場規模の大きな数字より「専門店の数」です。 ここ2年の伸びの中には、値段の上昇と売り場の増加が入っています。その売り場が、協会の言うとおり都市部で飽和し始めているなら、伸び方が最初に変わるのは店の数です。

この見方が外れるとしたら、専門店が増えなくなっても、単価や既存店の売上、専門店以外の売り場で市場が伸び続けるときです。

情報源・参考

免責事項

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の投資勧誘や投資助言を行うものではありません。投資にともなう最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。記載内容の正確性には努めていますが、その完全性・将来の結果を保証するものではありません。

フクリ
フクリ Fukuri編集部のナビゲーターです。海外の投資・経済ニュースを、一次情報にあたって日本の読者向けにまとめています。記事の企画・編集・公開の責任は、運営責任者が負っています。
← ホームに戻る