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セキュリティトークン(デジタル証券)とは?仕組み・買い方・リスクをやさしく解説

2026.07.09 ・ 執筆:フクリ
セキュリティトークン(デジタル証券)とは?仕組み・買い方・リスクをやさしく解説

「不動産や社債を、ブロックチェーンで小口にして買える」——2025年から2026年にかけて、こうしたデジタル証券(セキュリティトークン)への個人マネーの流入が広がっています。数万円から大型のオフィスビルに投資できる、といった話を耳にした方もいるかもしれません。

「ブロックチェーンを使うなら、ビットコインのような暗号資産の一種?」と感じるかもしれませんが、実はまったく違います。セキュリティトークンは、法律上は株式や社債と同じ「有価証券」の仲間として扱われます。

この記事では、①セキュリティトークンとは何か(暗号資産・REITとの違い)、②どうやって少額から買えるのか、③市場の広がりと知っておきたいリスク——の3つが分かります。なお本記事は情報提供であり、特定の商品や証券会社をすすめるものではありません。

セキュリティトークンとは?

セキュリティトークンとは、株式・社債・不動産などの有価証券に表示される権利を、ブロックチェーン上で発行されるトークン(電子的な証票)にのせたものです。「デジタル証券」とも呼ばれます。

紙の株券が電子化されたのと同じように、権利そのものをデジタルの器に入れ替えたイメージです。器がブロックチェーンなので、権利の移転(売買)の記録を安全に管理でき、これまで小口化が難しかった資産を少額に分けて多くの人に届けやすくなるのが特長です。

法律上の位置づけ=「電子記録移転有価証券表示権利等」

セキュリティトークンで最も大切なのが、法律上は有価証券として扱われるという点です。2020年5月に施行された改正金融商品取引法で、こうしたトークン化された権利は電子記録移転有価証券表示権利等という区分に整理されました。少し長い名前ですが、「電子的に記録して移転できる、有価証券の権利」という意味です。

つまり、投資家保護のルール(発行時の情報開示や、扱う業者の登録義務など)が、株式や社債と同じ枠組みで及びます。ここが、発行元の国家も裏付け資産もないビットコイン・暗号資産との根本的な違いです。

ブロックチェーンを使うという点だけを見ると似て感じますが、暗号資産・REITと並べると位置づけの違いがはっきりします。

セキュリティトークン暗号資産(ビットコイン等)REIT(J-REIT)
法律上の分類有価証券(金商法)暗号資産有価証券(投資証券)
裏付け資産不動産・社債などありなし複数の不動産
主な買い方証券会社経由暗号資産交換業者証券取引所で売買
途中売却難しい場合がある取引所でいつでも取引所でいつでも
主な狙い分配・利金+小口の資産保有値上がり益など分配金+値上がり

REIT(リート)と混同されやすいのですが、両者も別物です。REITはたくさんの物件をまとめて保有する投資法人の証券を証券取引所で売買するもの。一方、不動産セキュリティトークンは特定の1棟(または少数の物件)を裏付けにした小口商品であることが多く、上場していないため売買のしやすさ(流動性)も異なります。

なお、同じブロックチェーン応用でも、日本円ステーブルコインJPYCは「決済のためのデジタルなお金」で有価証券ではありません。使う目的がまったく違う点は押さえておきましょう。

どうやって買う?少額から不動産や社債へ

セキュリティトークンは、暗号資産交換所ではなく証券会社を通じて購入します。買い方は大きく2つに分かれます。

  • 新しく発行されるものを買う(新発):証券会社が募集する公募・私募のタイミングで、オンライン取引などから申し込みます。多くの投資家に広く募集する「公募」と、限られた投資家向けの「私募」があります。
  • すでに発行されたものを買う(既発):証券会社との相対取引か、大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)が運営する私設取引システム「START」への委託取引で売買します。STARTは2023年12月25日に開業した、セキュリティトークンの二次流通市場です。

最低投資額は銘柄によって幅があります。たとえば不動産を裏付けにした商品では、1口10万円程度から買えるものもあれば、1口100万円程度を単位とするものもあります。いずれにせよ、現物の不動産を一棟買うのに比べればはるかに少額から参加できます。

裏付けとなる資産は不動産が中心ですが、社債やプライベートエクイティ(未公開株式)を裏付けにしたものも登場しています。市場全体の内訳を見ると、不動産が大きな割合を占めているのが現状です。

公募STのアセット別内訳(2025年度・単年度)
公募STのアセット別内訳(2025年度) 85% 不動産
不動産 約85%  社債 約12%  その他 約3%  BOOSTRY「国内セキュリティ・トークン市場総括レポート(2025年度)」(2026年4月2日発表)より。割合は概算。

社債を裏付けにしたセキュリティトークンは、しくみとしては債券と同じく発行体にお金を貸して利金を受け取るもの。それを小口・デジタルで持てるようにした、と考えると分かりやすいでしょう。

市場はどれくらい広がっている?

個人マネーの流入は、数字にもはっきり表れています。公募セキュリティトークンの累計発行額は、2024年度末で約1,684億円だったものが、2025年度末には約3,333億円へと1年でおよそ2倍に拡大しました。トークンの本数も累計で82本に達しています。

公募STの累計発行額の推移 約1,684億円 約3,333億円 約5,300億円 2024年度末 2025年度末 2026年度末(見込み) 単位:公募STの累計発行額(億円)。出典:BOOSTRY 2026年4月2日発表
BOOSTRY「国内セキュリティ・トークン市場総括レポート(2025年度)」より。2026年度末の約5,300億円は同社の見込み値で、今後も同じペースで伸びるとは限らない。

証券会社では野村證券や大和証券が大型案件を中心に販売をけん引し、SBIグループなども市場に参加しています。100億円を超える案件も複数登場し、地域金融機関が扱う動きも出てきました。とはいえ、株式や投資信託の市場に比べればまだ規模は小さく、発展途上の市場であることは正直に押さえておきたいところです。

知っておきたいリスク

新しくて夢のある仕組みですが、初心者が向き合う前に、リスクをきちんと理解しておくことが欠かせません。

  • 流動性リスク(途中で売りにくい):これが最大の注意点です。二次流通の場(STARTなど)は整い始めたばかりで、まだ市場が小さいため、売りたいときに希望の価格・タイミングで売れるとは限りません。譲渡制限が付いている銘柄もあります。基本は満期や運用終了まで持つ前提で考えるのが安全です。
  • 発行体・裏付け資産の信用リスク:不動産の空室や賃料下落、社債の発行体の経営悪化などがあれば、分配金や利金が減ったり、元本が損なわれたりする可能性があります。
  • 価格変動リスク:裏付け資産の価値や金利の動きによって、評価額は変動します。金利が上がると不動産や債券の価格が下がりやすい点も、REITや債券と同じように影響します。
  • 元本は保証されない:預金とは違い、元本割れの可能性があります。「必ず儲かる」という説明は疑ってかかりましょう。

フクリの見方

  • セキュリティトークンは、これまで手が届きにくかった大型の不動産や社債を、少額・デジタルで持てるようにする新しい選択肢です。「値上がりを当てる」ものというより、分散投資の引き出しを一つ増やす、という発想が合っています。
  • ただし、株や投資信託にはない流動性の低さがついて回ります。生活資金や、近い将来に使う予定のあるお金を入れるのは、現段階では慎重に考えたいところ。まずは仕組みとリスクを理解し、少額から試せる投資の感覚で向き合うのが安心です。
  • 市場はまだ育ちはじめ。制度も二次流通も発展途上なので、リスクとリターンの関係を意識しながら、資産全体の一部にとどめて付き合うのが現実的だと考えます。

まとめ(3行)

  • セキュリティトークン(デジタル証券)は、不動産や社債などをブロックチェーンでトークン化したもので、法律上は有価証券として扱われ(電子記録移転有価証券表示権利等)、暗号資産と区別される。
  • 証券会社を通じて数万円〜100万円程度の少額から買え、公募STの累計発行額は2025年度末に約3,333億円と1年で約2倍に拡大した。
  • 一方で途中で売りにくい流動性リスクや信用リスクがあり、まだ発展途上の市場。仕組みとリスクを理解し、資産の一部で付き合いたい。

情報源

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本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の投資勧誘や投資助言を行うものではありません。投資にともなう最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。記載内容の正確性には努めていますが、その完全性・将来の結果を保証するものではありません。

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