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個人向け国債とは?3種類の特徴と金利をやさしく解説

2026.06.30 ・ 執筆:フクリ 2026.08.07 更新
個人向け国債とは?3種類の特徴と金利をやさしく解説

個人向け国債とは、日本政府(財務省)が個人投資家向けに発行する債券です。元本が保証されており、最もリスクが低い金融商品のひとつとして知られています。

銀行預金との大きな違いは金利の水準です。2026年8月募集では固定5年が年2.06%(税引前)まで上がりました。3種類そろって前月より上昇しています。この記事では、3種類ある個人向け国債の違いや、購入時に押さえるポイントを整理します。

個人向け国債とは?

個人向け国債は、日本政府が資金調達のために個人に向けて発行する債券です。満期を迎えると元本が戻り、その間は定期的に利子が受け取れます。

特徴として、元本割れがない(日本政府が倒産しない限り)、1万円から購入できる、毎月発行されている、の3点が挙げられます。購入後1年たてば中途換金できますが、直前2回ぶんの利子相当額が差し引かれます。

個人向け国債の基本
元本保証あり政府が支払いを保証
最低1万円から少額でも購入できる
毎月発行いつでも購入しやすい
1年後に換金可能ただし利子の一部を返還
個人向け国債は元本保証・少額購入・毎月発行が特徴の安全性重視の金融商品。

3種類の違い

個人向け国債は現在、次の3種類があります。

種類満期金利タイプ2026年8月適用利率(税引前)
変動10年10年変動(半年ごと見直し)年1.87%
固定5年5年固定(購入時に確定)年2.06%
固定3年3年固定(購入時に確定)年1.71%

変動10年は基準金利(10年国債利回り)×0.66で計算され、金利上昇局面では利率も上がります。2024年以降、日本銀行の利上げを受けて金利が上昇基調にあります。

固定5年・固定3年は購入時に金利が確定するため、「将来の金利変動を気にしたくない」「短めに運用したい」場合に向いています。金利の仕組み全般については債券の基本記事も参考にどうぞ。

いま起きている逆転:固定5年が変動10年を上回った

ここが2026年8月時点の見どころです。満期が短い固定5年(2.06%)が、満期の長い変動10年(1.87%)より高いという状態になっています。

ふつう債券は「長く貸すほど金利が高い」のが基本です。それが逆転しているのは、変動10年の利率が「10年国債利回り×0.66」という式で決まるためです。0.66を掛けるぶん、市場金利がそのまま反映されません。

つまり変動10年は「金利が上がり続けるなら有利」だが、いまこの瞬間の利率では固定5年に負けているという状態です。どちらを選ぶかは、この先さらに金利が上がると思うかどうかの判断になります。

変動10年が向く人金利上昇局面での恩恵を受けたい・長期保有できる
固定5年・3年が向く人金利変動を気にせず確実に受け取りたい・短期運用
どちらも元本保証だが、金利変動の恩恵・リスクの受け方が異なる。

メリットとデメリット

メリット:元本が保証されており、預金保険(ペイオフ)の1000万円上限なく安全。最低1万円と少額から始められる。金利は銀行の普通預金より高いケースが多い。

デメリット:購入後1年間は換金できない(ロックアップ期間)。中途換金すると直前2回ぶんの利子が差し引かれる。株や投資信託に比べると利回りは低め。インフレが進むと実質価値が目減りする点にも注意が必要です。

購入方法

全国の銀行・証券会社・郵便局で購入できます。証券口座を持っていれば、ネット証券でも購入手続きが可能です。毎月10日頃〜月末が募集期間で、財務省の公式サイトや購入窓口で最新の適用利率を確認できます。

NISAの口座では個人向け国債は購入できない点に注意してください。NISAを使いたい場合は投資信託や株式が対象です。

フクリの見方:これは「増やす道具」ではなく「減らさない道具」

編集部の立場を書きます。個人向け国債は、リターンを取りにいく商品ではありません。「使う予定のあるお金を、目減りさせずに置いておく場所」として考えるのが正しい使い方だと考えています。

理由は2つあります。

1つめは、株式との役割がまったく違うことです。 年2%前後は預金と比べれば十分ですが、インデックス投資の長期リターンとは競合しません。同じ土俵で比べるものではなく、置き場所を分ける話です。数年以内に使うお金は国債、10年以上先のお金は株式、という分け方が現実的です。

2つめは、インフレに勝てるとは限らないことです。 年2%の利子でも、物価が年3%上がれば実質的には目減りします。インフレは元本保証の商品にとって唯一の天敵で、「元本保証=損しない」ではありません

そのうえで、いま選ぶなら次のように考えます。

  • 数年以内に使う予定があるなら固定5年か固定3年。 いまは固定5年(2.06%)が最も高く、しかも購入時に利率が確定します。
  • さらに金利が上がると考えるなら変動10年。 ただし「10年国債利回り×0.66」という式のぶん、上昇の恩恵は目減りします。
  • 1年間は引き出せない点を必ず織り込む。 ここが預金との最大の違いです。生活防衛資金は国債ではなく、いつでも下ろせる預金に置いてください(→生活防衛資金とは)。

この見方が変わる条件も書いておきます。 日銀が利上げを止めて金利が下がる局面に入れば、いま固定で確定させた利率のほうが有利になります。逆に利上げが続くなら、変動10年が後から追い抜きます。どちらに転んでも致命傷にならないのがこの商品の性質なので、迷ったら期間だけで決めてしまってよいと考えています。

まとめ(3行)

  • 個人向け国債は日本政府が発行する元本保証・1万円から買える商品。1年間は換金できません。
  • 2026年8月募集は固定5年が年2.06%で最も高く、変動10年(1.87%)を上回る逆転が起きています。変動10年は「10年国債利回り×0.66」で決まるためです。
  • 増やす道具ではなく減らさない道具。数年以内に使うお金の置き場として使い、生活防衛資金はいつでも下ろせる預金に置きます。

情報源

  • 財務省「個人向け国債」募集要項(2026年8月募集の適用利率:変動10年1.87%/固定5年2.06%/固定3年1.71%):mof.go.jp
  • 財務省:「変動10年」商品概要
免責事項

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の投資勧誘や投資助言を行うものではありません。投資にともなう最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。記載内容の正確性には努めていますが、その完全性・将来の結果を保証するものではありません。

フクリ
フクリ Fukuri編集部のナビゲーターです。海外の投資・経済ニュースを、一次情報にあたって日本の読者向けにまとめています。記事の企画・編集・公開の責任は、運営責任者が負っています。
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