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「iDeCo(イデコ)」を世界一やさしく解説──NISAと何が違うの?

2026.06.22 ・ 執筆:フクリ 2026.07.31 更新
「iDeCo(イデコ)」を世界一やさしく解説──NISAと何が違うの?

NISAと並んでよく聞く iDeCo(イデコ)。「2つの違いがよく分からない」という人のために、この記事では、iDeCoのしくみとNISAとの使い分けを、図といっしょにやさしく解説します。

そして2026年12月、iDeCoは大きく変わります。 会社員の掛金上限が2.7倍になり、70歳まで積み立てられるようになります。この改正もあわせて整理します。

iDeCoってなに?

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分でつくる年金制度です。毎月コツコツ積み立てて、自分で選んだ投資信託などで運用し、60歳以降に受け取ります。掛金は月5,000円以上、1,000円単位で決められます。

ポイントは、税金がトクになる仕組みが3つそろっていること。

特に①が強力。積み立てた金額がまるごと所得控除になり、毎年の所得税・住民税が軽くなります(NISAにはない、iDeCoならではの利点)。

💡 たとえ話:iDeCoは「フタつきの貯金箱に、税金の割引券つきで入れる」イメージ。割引(節税)は嬉しいけれど、フタは原則60歳まで開きません。

2026年12月、大きく変わります

厚生労働省が公表している改正内容によると、令和8年(2026年)12月から、iDeCoは次のように変わります。

変わるのは主に3点です。

  1. 掛金の上限が上がる——企業年金がない会社員は月23,000円 → 62,000円、自営業者などは月68,000円 → 75,000円
  2. 70歳になるまで積み立てられる——いまは原則65歳未満まで。改正後は、50歳から始めても最大20年間積めるようになります。
  3. 所得控除のメリットはそのまま——上限が上がるぶん、控除できる額も増やせます

⚠️ 施行は2026年12月です。 この記事を書いている2026年7月31日時点では、まだ現行の上限が適用されています。いま加入している人も、上限が自動で上がるわけではなく、掛金を増やす手続きが必要になる点にご注意ください(掛金額の変更は年1回できます)。

いくらまで積み立てられるのか

加入している年金制度によって上限が違います。ここが分かりにくいところなので、表で整理します。

あなたの区分いまの上限(月額)2026年12月から
自営業者・フリーランスなど(第1号)68,000円75,000円
会社員(企業年金なし)23,000円62,000円
会社員(企業年金あり)20,000円※企業年金と合わせて62,000円まで
専業主婦(夫)など(第3号)23,000円

※企業年金がある会社員は、いまは「企業年金と合わせて55,000円」という別の上限もかかります。改正後はこれが62,000円に統一されます。

自分がどの区分かが分からないと上限も決まりません。 勤務先に企業型確定拠出年金(企業型DC)があるかどうかが、いちばん大きな分かれ目です。

節税額を具体的に計算してみる

「所得控除」と言われてもピンとこないので、金額にしてみます。

所得税10%・住民税10%(合計20%)の人が、iDeCoに拠出した場合の1年あたりの軽減額です。

毎月の掛金年間の掛金年間の軽減額(税率20%の場合)
10,000円120,000円24,000円
23,000円(いまの会社員の上限)276,000円55,200円
62,000円(2026年12月からの上限)744,000円148,800円

💡 掛金は全額が所得から差し引かれるので、「掛金 × 税率」がそのまま軽減額の目安になります。税率が高い人ほど効果が大きく、逆に所得税を払っていない人(専業主婦など)には、この①のメリットはありません

ただし、これは「もらえるお金」ではなく「払わずに済む税金」です。 手元の現金は掛金のぶん減り、そのお金は60歳まで引き出せません。ここを取り違えないでください。

NISAとどう違う?──いちばんの差は「引き出し」

iDeCoとNISA、どちらも運用益が非課税という大きな共通点があります。でも性格はかなり違います。

項目iDeCoNISA
主な目的老後資金づくり自由な資産形成
税制メリット3つ(積立時の控除が強力)運用益が非課税
引き出し原則60歳まで不可いつでも引き出せる
入口の手軽さ加入手続き・口座管理料あり比較的シンプル
掛金の上限区分ごとに月額で決まる年間360万円・生涯1,800万円

いちばんの違いは引き出しの自由さです。NISAはいつでも引き出せる一方、iDeCoは原則60歳まで引き出せません。これは弱点でもあり、「老後まで確実に取っておける」という強みでもあります。

受け取りは、75歳になるまでの間で開始時期を選べます(最短で受け取れる年齢は、通算加入期間によって60歳から65歳の間で決まります)。

どう使い分ける?

正解は人それぞれですが、考え方の目安は——

  • いつでも使える自由なお金を増やしたい → まずNISA(→新NISAの記事
  • 老後資金を、節税しながら堅実に積みたい → iDeCoを併用
  • 迷ったら、引き出しの自由がきくNISAを優先し、余力でiDeCo、という順番が一つの目安です。

💡 どちらも中身は投資信託などでの運用。長期・分散・積立という基本は同じです(→ドルコスト平均法の記事)。

注意点もフェアに

  • 原則60歳まで引き出せません。生活防衛資金や、近く使う予定のあるお金は入れないこと。
  • 加入時・運用中に手数料(口座管理料など)がかかります。金融機関によって差があるので、加入前に比べてください。
  • 受け取るときには課税されます。 「非課税」ではなく、退職所得控除や公的年金等控除が使える、という意味です。受け取り方(一時金・年金・併用)で税額が変わるため、出口の設計は早めに考える価値があります。
  • 所得税を払っていない人には、最大のメリットである①の所得控除が効きません
  • 制度は改正されます。最新・正確な情報は必ず公的情報で確認を。

フクリの見方:2026年12月の改正で、優先順位が変わる人がいます

編集部の立場を書きます。これまでは「まずNISA、余力でiDeCo」で十分でしたが、この改正で順番を考え直したほうがいい人が出てきます。

理由は上限の大きさです。企業年金のない会社員の場合、月23,000円では年276,000円しか積めませんでした。これが年744,000円になります。所得税・住民税あわせて20%の人なら、軽減額は年55,200円から148,800円へ。差は年93,600円です。

この規模になると、「NISAが先」と機械的に決められません。 NISAの非課税メリットは運用益に対してのみで、利益が出なければゼロです。一方でiDeCoの所得控除は、運用がうまくいこうがいくまいが、その年に確実に効きます。確実性という点で、性質がまったく違います。

そのうえで、編集部はこう考えます。順番を決めるのは「税率」と「いつ使うお金か」の2つです。

  • 課税所得が高く(税率20%以上)、老後まで手をつけない前提のお金なら、iDeCoの優先度は上がります。改正後の上限まで使う価値があります。
  • 税率が低い、または5〜10年以内に使う可能性があるなら、これまでどおりNISAが先です。60歳まで動かせない資金を増やすのは、生活の自由度を下げます。

この見方が外れる条件も書いておきます。 施行は2026年12月で、まだ先の話です。制度の詳細は今後さらに詰められる可能性があり、現時点で判断を固める必要はありません。また、上限が上がっても、そこまで積める家計かどうかは別問題です。月62,000円は年74万円。生活防衛資金を確保し、分散された積立を続けられる範囲を超えるなら、上限は関係ありません。制度が広がったことと、自分が使うべきかは、別々に考えてください。

まとめ(3行)

  • iDeCoは「自分でつくる年金」。3つの税制メリット(特に積立時の所得控除)が魅力。
  • 2026年12月から上限が大幅アップ(企業年金なしの会社員で月23,000円→62,000円)、70歳まで拠出可能に。
  • NISAとの最大の違いは引き出しの自由さ。順番は「税率」と「いつ使うお金か」で決める。

制度を味方につけると、将来の安心が変わります。次回も、いっしょにやさしく読み解いていきましょう。

情報源・参考

  • 厚生労働省「iDeCoがパワーアップします!(令和8年12月から)」:mhlw.go.jp
  • 厚生労働省「DC拠出限度額(令和8(2026)年12月~)」:mhlw.go.jp
  • 厚生労働省「2025年の制度改正」:mhlw.go.jp
  • 国民年金基金連合会「iDeCo公式サイト」:ideco-koushiki.jp
免責事項

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の投資勧誘や投資助言を行うものではありません。投資にともなう最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。記載内容の正確性には努めていますが、その完全性・将来の結果を保証するものではありません。

フクリ
フクリ Fukuri編集部のナビゲーターです。海外の投資・経済ニュースを、一次情報にあたって日本の読者向けにまとめています。記事の企画・編集・公開の責任は、運営責任者が負っています。
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