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ESG投資とは?環境・社会・ガバナンスをやさしく解説

2026.06.26 ・ 執筆:フクリ 2026.07.29 更新
ESG投資とは?環境・社会・ガバナンスをやさしく解説

「ESG投資」という言葉、一時期とてもよく聞きました。なんとなく”地球にやさしい投資”というイメージはあっても、中身はぼんやり——という方も多いはずです。

この記事では、しくみを説明したあとに、いま起きている変化まで踏み込みます。ネット上には2020〜2022年ごろの「ESGはこれから伸びる」という記事が大量に残っていますが、2025年の実際のお金の流れは逆を向いています。そこを知らずに読むと、判断を誤ります。

ESGとは?

ESGは、会社を評価するときに、利益だけでなく次の3つの観点も見よう、という考え方です。

E:環境脱炭素・資源・公害対応
S:社会人権・労働・地域
G:ガバナンス健全な経営・透明性
ESG=Environment(環境)・Social(社会)・Governance(企業統治)。利益に加えて見る3つの視点。

ESG投資とは、これらに配慮した会社を選んで投資することです。「儲かるか」だけでなく「社会に良い会社か・長く続く会社か」も重視します。

なぜこの3つなのか。ひとことで言えば、決算書には出てこないけれど、いずれ業績に効いてくる要素だからです。

決算書に出るかそれでも効いてくる例
E:環境出にくい炭素に価格がつく制度が広がれば、排出量の多い事業はコストが増える
S:社会出にくい労働環境の問題が表面化すれば、人が採れなくなり、取引先も離れる
G:ガバナンス出にくい経営の監視が働かないと、不正や失敗が発覚するまで気づけない

つまりESGは、まだ数字になっていないリスクを、先に拾おうとする試みです。ここが本質だと編集部は考えています。

いま何が起きているか──潮目は変わった

ここからが、多くの入門記事に書かれていない部分です。

2025年、世界のESG(サステナブル投資)ファンドからは、通年で約840億ドルの資金が流出しました。その前年の2024年は約382億ドルの純流入だったので、流れが完全に反転したことになります。

世界のサステナブル投資ファンドの資金の出入り
サステナブル投資ファンドの資金フロー(2024年→2025年) 0 +382億ドル 2024年 お金が入ってきた −840億ドル 2025年 お金が出ていった 出典:Morningstar集計
2024年の純流入から、2025年は純流出へ反転した。世界のサステナブル投資ファンドの運用資産残高は2025年3月末で3.16兆ドル。

背景として報じられているのは、米国での「反ESG」の動きです。政治的な争点になり、公的な資金がESGを掲げる運用から距離を置く流れが生まれました。運用会社の側でも、ファンド名からESGを外す動きが出ています。日本市場も例外ではなく、資金流出が続いています。

世界のサステナブル投資ファンドの運用資産残高は、2025年3月末時点で3.16兆ドル。金額としては依然として巨大ですが、増え続ける前提はすでに崩れています

それでもESGが消えない理由

では、ESGはブームで終わったのでしょうか。編集部はそうは見ていません。理由は2つです。

1つめ。リスクの中身がなくなったわけではありません。気候変動で工場が止まるリスク、人権問題で取引を切られるリスク、経営の監視が効かずに不正が起きるリスク——これらは、投資家がESGという言葉を使うかどうかとは関係なく存在します。

2つめ。開示の制度は逆に進んでいます。企業に対して、気候関連やサステナビリティに関する情報の開示を求める流れは各国で続いています。名前としての「ESG投資」は退いても、情報が開示され、それを見て判断するという部分は残ります。

つまり起きているのは、「ESGというラベルの後退」であって、「リスクを見る作業の消滅」ではない——というのが編集部の読み方です。

個人が投資する方法と、注意点

ESGをテーマにした投資信託やETFがあり、投資信託の選び方 の延長で選べます。ただし次の点に注意してください。

  • 「ESG=必ず儲かる」ではない:あくまで評価の一視点で、値動きは普通に上下します(リスクとリターン
  • 基準があいまい:何をESGとみなすかは運用会社によって差があります。名前だけでは中身が分かりません。必ず組入銘柄を確認すること
  • コストが高めになりやすい:銘柄を選別する手間がかかるぶん、信託報酬 が指数連動型より高くなる傾向があります
  • 偏りに注意:ESG指数は特定の業種(IT・ヘルスケアなど)に寄りやすい構造があります。分散投資 の中で位置づけるのが無難です

フクリの見方

編集部の立場を書きます。ESGは「良いことをすれば儲かる」という話ではなく、まだ数字になっていないリスクを測る道具です。この2つを混同したことが、ブームとその反動を生んだと考えています。

2020年ごろ、ESGファンドは実際に好成績を出しました。しかしその一因は、資金が流入したから値上がりしたという循環にあります。道具が優れていることの証明ではなく、人気の結果だった部分がある。だから資金が引くと、成績も戻りました。2025年の840億ドルの流出は、その巻き戻しの局面にあたります。

では個人はどうすればよいか。編集部の提案は次の3点です。

  • ESGを”上がる理由”にしない。値上がりの根拠として使うと、資金の流れが変わったときに支えを失います
  • 共感と、中身の確認を両立させる。応援したい気持ちは大切ですが、組入銘柄とコストは必ず見ること
  • 土台の外側に置く全世界株・S&P500 のような広く分散した土台を持ったうえで、その一部として考える

この見方が外れるとしたら、開示規制が一段と強まって、ESGの評価が「任意の付加情報」から「投資判断に必須の情報」に変わったときです。そうなれば、ラベルとしてのESGは消えても、実質的にすべての投資がESGを見ることになります。見るべきは、ファンドの人気ではなく制度の動きのほうだと考えています。

まとめ(3行)

  • ESG投資は、環境・社会・ガバナンスという、決算書に出にくいリスクも見て会社を選ぶ考え方。
  • 2025年、世界のESGファンドからは840億ドルが流出し、2024年の流入から反転した。「増え続ける前提」は崩れている。
  • ただしリスクそのものは消えていない。ESGはリターンを上げる手段ではなく、リスクを測る道具として使う。

情報源

免責事項

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の投資勧誘や投資助言を行うものではありません。投資にともなう最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。記載内容の正確性には努めていますが、その完全性・将来の結果を保証するものではありません。

フクリ
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